"Stan Getz at Storyville":音の悪さを補って余りあるGetzのフレージング。
"At Storyville" Stan Getz (Roost→Roulette)
このアルバム,いろいろなジャケットで出ているので,これが現状のヴァージョンとは限らないが,私が保有しているのは90年代初頭にリリースされたもので,ジャケ写真を見てもらえばわかる通り,"Vol.1"と"Vol.2"で分売されていたものを1枚のCDにまとめたまぁお徳用盤である。この2枚合体は現行ヴァージョンでも踏襲されているはずだ。
1951年のライブ・レコーディングとあって,音はクリアさには欠けて,正直言って大したことはない。しかし,そんな音質の瑕疵は,Stan Getzのフレージングを聞いていればどうでもよくなると言っては言い過ぎか。まぁ,Stan Getzは次から次へと繰り出される流麗なフレージングには定評があるところではあるが,51年という時点で,そうした特性はもはや完成していると言っても過言ではない。この段階でStan Getz,24歳である。まさに恐るべしというところである。
Stan Getzのアルバムとしては,比較的テンポの速い曲が多いのが特徴的であるが,そんなテンポをものともせず,Stan Getzのフレージングは見事そのもの。Getzとユニゾンをビシッと決めるJimmy Raneyのギターとも相まって,ジャズ的なスリルも感じさせてくれるナイスなアルバム。まぁ,"Move"みたいな曲がGetzに合っているかと言えば少々疑問もあるし,これで音がもう少しよければってこともあり,星★★★★☆。
Recorded Live at Storyville on October 28, 1951
Personnel: Stan Getz(ts), Jimmy Raney(g), Al Haig(p), Teddy Kotick(b), Tiny Kahn(ds)
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