先日のCharles Dutoitの幻想がよかったので,N響とのアーカイブ音源を聞いてみた。
「ベルリーズ:幻想交響曲/ラヴェル:道化師の朝の歌」Charles Dutoit/NHK交響楽団 (NHK)
先日,生で聴いたCharles Dutoit(以下デュトワと記す)と新日本フィルの幻想がよかったので,以前,デュトワがN響の常任指揮者就任記念コンサートのアーカイブ音源を聞いてみた。
録音されて四半世紀以上経過しているとは言え,96年の演奏なので,もう少しクリアな音で録られていてもよさそうだが,おそらくは放送を目的としたものであろうから,繊細なエンジニアリングが施されているとは言えないのはちょっと残念だが,まぁ音源として残っているだけでもよしとすべきだろう。
この演奏会当日には,本CDの2曲に加えて,Martha Argerichをソリストとするショパンのピアノ協奏曲という強力なプログラムで常任指揮者就任を祝った訳だが,ここでの「幻想」は当時から評判の演奏だったらしい。
まぁ,そうは言ってもやはり生音の魅力に触れてしまった後では,いい演奏だと思っていても,感慨が違うってところなのは仕方がないが,それでもライブ音源としては十分その価値は認められる。これでもう少しクリアに録られていれば...と思わざるをえないが,私が苦手とする「幻想」の3楽章をここでもちゃんと聞かせるものにしているのは立派。短いながらもラヴェルも好印象。星★★★★☆。そう言えば,私はデュトワがモントリオールを振ったラヴェルの全集を持っていたなぁ。久しぶりに聞いてみるか。
ところで,デュトワとN響の関係は,件のセクハラ事件を受けて名誉音楽監督の地位が継続するかどうか疑問視されたが,現在もN響のWebサイトには名誉音楽監督としてデュトワの名前が残っているから,不問としたということなのかもしれないが,N響を振る機会はその後なくなっているようなので,多少なりとも影響はしているってことだろう。
Recorded Live at NHKホール on December 21, 1996
Personnel: Charles Dutoit(cond),NHK交響楽団
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