Cecile Licadって最近どうしているのか。デビュー作のラフマニノフを聞いて,何だかもったいないと感じた。
"Rachmaninoff: Piano Concerto No.2 / Rhapsody on a Theme of Paganini" Cecile Licad / Claudio Abbado / Chicago Symphony Orchestra (CBS)
全くの気まぐれで,AbbadoのRCA/Sonyのボックスから何枚かを取り出して聞いていたうちの一枚。今年はラフマニノフの生誕150周年とかで,やたらに生でもラフマニノフが演奏される機会の多い年だが,それに引っ掛けて選んだと言っても過言ではない。
ここでの主役であるピアノのCecile Licadはフィリピン出身で,これがデビュー・レコーディング。バックをAbbado/Chicagoという鉄壁のコンビが支えるという恵まれたデビューを飾った訳だが,当時のCBSの期待の大きさが表れていたと言ってもよいだろう。その後のキャリアでは,必ずしもレコーディングには恵まれているとは言い難いのはちょっともったいない気がする。そう感じさせる演奏であった。
私は特にラフマニノフの音楽に大した関心がある訳でもないので,演奏を評価する資格は正直言ってないのだが,ピアノ協奏曲2番はまぁそれなりの演奏って感じか。むしろ,このアルバムで私がより興奮してしまったのが「パガニーニの主題による狂詩曲」の方であった。この血沸き肉躍るダイナミズムには正直身体が反応してしまった。なので,私にとってはこのアルバムは「パガニーニの主題による狂詩曲」を聞くためのものだと思った。ということで,トータルでは星★★★★ってところ。
気まぐれでもたまにはこういうのも聞かないといかんなぁと感じるが,これを廃盤にしておくのももったいない話だ(Amazonにはジャケすら出てこない)。特に「パガニーニの主題による狂詩曲」はマジで強烈なのだ。
Recorded on February 12 & 14, 1983
Personnel: Cecile Licad(p), Claudio Abbado(cond), Chicago Symphony Orchestra
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