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2023年6月 4日 (日)

Peter Erskineのアメリカン・トリオも素晴らしいと実感させる"Badlands"。

_20230602 "Badlands" Peter Erskine (Fuzzy Music)

Peter Erskineという人はいかなるタイプの音楽もこなせてしまう万能ドラマーだと思うが,リーダーとしての資質も立派なもので,私はヨーロピアン・トリオ,アメリカン・トリオの双方を贔屓にしてきた。同じピアノ・トリオでも若干スタイルに違いが感じられる中,どちらも好きなのだ。

ヨーロピアン・トリオは97年の"Juni"をリリース後はアルバムは出ていなかったし,そもそもピアノのJohn Taylorも2015年に亡くなってしまった。アメリカン・トリオについては,ヨーロピアン・トリオを引き継ぐようなタイミングで活動が開始されたと思われるので,これが現在のPeter Erskineにとってのピアノ・トリオの基本だろう。ベースは初期のメンバーであったDave Carpenterが2008年に亡くなった後は,ポーランド出身のDarek Olesが引き継いでいる。余談だが,このDarek Olesのラスト・ネームはOleszkiewiczというもので,何と読むかもわからん!という中,それを略してOlesというのはまぁ妥当だろう。

本作はまだDave Carpenter存命中のアルバムであるが,これが実に素晴らしいアルバムである。ラストの"You And the Night And the Music"を除いて,メンバーのオリジナルが演奏されているのだが,落ち着いた中にも美的な部分も感じさせて,本当に心地よいのだ。三者による曲も,三者三様の魅力のあるもので,ミュージシャンとしての実力が表れている。Dave Carpenterが書いた"Boggie Shuttle Stop"はCharles Mingusの"Boggie Stop Shuffle"のもじりだろうが,全然タイプの違う音楽をやっていても,やっぱりMingusからは影響を受けているのねぇってことがわかって面白い。

このトリオ,三者すべての実力は高いことは間違いなく,聞きどころ満載なのだが,その中でも特筆したくなるのがAlan Pasquaのフレージング。本当に魅力的に響くピアノを聞かせてくれて嬉しくなってしまう。とてもAllan Holdsworthとバリバリのフュージョンをやっている人と同一人物とは思えないが,そうしたこともあって,このトリオのアルバムの中でも,一番好きかもしれない。星★★★★★。

これまた余談ながら,ジャケのサインはPeter ErskineがDr. UM BandでCotton Clubでライブをやった時にもらったもの。もうあれから7年以上経っている。光陰矢の如し。

Recorded on August 7 & 8, 2001

Personnel: Peter Erskine(ds), Alan Pasqua(p), Dave Carpenter(b)

本作へのリンクはこちら

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