Argerichのリストのピアノ・ソナタ。いやいや強烈。
"Liszt: Sonate H-Moll / Schumann: Sonate G-Moll" Martha Argerich (Deutsche Grammophon)
Martha Argerichのドイツ・グラモフォンにおけるソロ録音ボックスから,久しぶりにこのアルバムを取り出したのだが,もはや半世紀以上前のレコーディングとは言え,全然古びたところを感じさせないアルバムだと思った。
リストとシューマンから成る演奏ではあるが,リストのロ短調ソナタが強烈過ぎて,シューマンの演奏が若干印象が薄れるって感じがしてしまった。もちろんシューマンの演奏も立派なものだが,それよりも何よりも技巧,スピード,打鍵の強さのどれを取っても,リストの印象が強い。
これはCDのデメリットという気もするが,リストとシューマンで明らかに雰囲気が違うのだ。アナログであれば,A面,B面でレコードをひっくり返すという行為が発生するから,聞くのがどちらかの面に偏るというのはよくあることだ。私がアナログでこのアルバムを保有していたら,おそらくA面偏重になったであろうことは確実だと思ってしまった。いかにもMartha Argerichらしい演奏。でも好き嫌いはわかれそうだが...。私にとってはリストだけで星★★★★★にしたい。
Recorded in June 1971
Personnel: Martha Argerich(p)
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