Brad Mehldauの更なる越境。でもまだ評価するほど聞けていない。
Brad Meldauがジャズの世界を越境して,クラシックにアプローチするというのは今に始まった話ではない。これまでもRenée Fleming, Anne Sofie von Otter等のクラシック界の歌手陣との共演に加え,オルフェウス室内管弦楽団との共演や,ピアノ協奏曲の作曲もあって,ジャズの枠に留まらない活動は広く知られてきたことである。
私はBrad Mehldauのコンプリートを目指す(あくまでも公式音源であって,原則としてブートレッグは含まないが...)人間であることはこのブログにも書いてきた。上述のアルバムももちろん保有しているが,決してプレイバックの頻度は高くはない。私が痺れているのはあくまでもジャズ・ピアニストとしてのBrad Mehldauなのだから,それはそれで当然なのだ。正直言ってピアノ協奏曲は成功したとは思えないし,オルフェウスとの共演盤も微妙な感覚を覚えた。私はどうせ越境するならクラシックよりロックじゃねぇのか?と思っているのが正直なところなのだが,それでも新たな音源が出れば聞かざるをえないし,買わざるをえないのだ。
それでもって,今回のお題はテノール歌手,Ian Bostridgeとの共演盤である。この二人の共演はこれまでコンサートという形態で行われてきたものだが,それが正式にレコーディングされたものである。私としては,まだ十分に聞けていないので,内容については改めて書くが,表題曲は11曲から構成される組曲で,作曲はBrad Mehldauだが,詞はシェークスピアとか,イェーツとか,ゲーテとかいちいち敷居が高い(爆)。
これを面白いと感じられるかどうかは私自身まだわからないので,もう少し聞き込んでから改めて記事にすることとしたい。でもこれって真面目に作っていることはわかるが,この生真面目さは多少重荷と感じる向きもあるのではないかと思う,というのが正直なところ。
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