"Love in Exile":このアンビエントな雰囲気にはまる。
"Love in Exile" Arooj Aftab / Vijay Iyer / Shahzad Ismaily (Verve)
Vijay Iyerの名前につられて入手したアルバムである。Arooj Aftabという人は初めてだが,Shahzad IsmailyはMarc RibotのCeramic Dogでライブも聞いていたってことに気づく。Arooj AftabとShahzad Ismailyはパキスタン・ルーツ,Vijay Iyerはインド・ルーツなので,そっち系の音が出てくるのかと思って,まずはストリーミングで聞いたのだが,意に反してあるいは想定外という感じで,これが聞いていて心地よいアンビエント・ミュージックのような音楽だった。冒頭の音を聞いただけでも,これは買いだと確信したのであった。
Arooj Aftabはグラミーも獲っていて,それがVerveレーベルとの契約につながったようだが,ほかの二人もプレゼンスを確立したミュージシャンであり,かなり優秀なその3人が集まれば,これはおかしなことにはなるはずがない。Arooj Aftabがウルドゥ語で歌っても,言語を理解しない人間にとってはサウンドの要素としか捉えられないが,それをVijay IyerのピアノやRhodesとShahzad Ismailyのベースがミニマルとは言わないが,決して出しゃばることのない音数で支える演奏は,私にとって大袈裟に言えば心の平安をもたらすような音楽なのだ。そして,Vijay Iyerのピアノの音が実に美しく録られていて,私はうっとりしてしまったのであった。Vijay Iyerのピアノも美しい"Shadow Forces"の映像がアップされていたので貼り付けておく。
この音楽をどのカテゴリーに入れるかは難しいところだが,一聴して得た感覚を大事にしてアンビエントとしておく。まぁ,映像からしてもアンビエントだもんね(笑)。6曲で71分超というのは長いと言えば長いが,こういう音楽だから全くの許容範囲だ。
決して万人向けの音楽とは言えないかもしれないが,私にとっては,麻薬的な響きを持つ音楽。こういう音楽への注目度を高めるためにも星★★★★★としてしまおう。マジでいいですわぁ。ツアーもやっているようだが,一体どういうことになってしまうのか興味津々である。
Personnel: Arooj Aftab(vo), Vijay Iyer(p, el-p, electronics), Shahzad Ismaily(b, synth)
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