Rainer BrüninghausのECMにおける2枚目のリーダー作。Fredy Studerが効いている。
"Continuum" Rainer Brüninghaus (ECM)
久しぶりにこのアルバムを聞いた。Rainer BrüninghausはJan GarbarekやEberhard WeberのECMのアルバムに数多く参加しているが,リーダー作は以前このブログでも取り上げた"Freigeweht"(記事はこちら)と本作だけになる。ECMらしいちょっと不思議な編成により,なかなかエッジの効いた演奏をする人だという印象である。
前作においてはKenny WheelerにJon Christensenというメンツ(+Brinjar Hoffのオーボエ,イングリッシュ・ホルン)を迎えていたが,今回はオーボエ,イングリッシュ・ホルン抜きながら,基本的に同じ編成で臨んだアルバム。今回はラッパがMarkus Stockhausen,ドラムスがFredy Studerに代わっているが,私は本作のキモはFredy Studerのドラムスだと思っている。前作のJon Christensenも多彩なドラミングを聞かせたが,ここでのFredy Studerはよりロック的なサウンドと言えばよいだろうか。それがよりコンテンポラリーな感覚を強め,Rainer Brüninghausのクリアなピアノ・トーンと絶妙にブレンドしているって感じなのだ。ベース不在が全く気にならないし,こういう音には無条件に反応してしまう私である。
ECMにしてはコンテンポラリーな感覚が幾分強いという気もするが,こんな編成でアルバムを作れたのは今も昔もECMだけだなという気がする。さすがにMarkus StockhausenのラッパにはKenny Wheelerほどの魅力は感じないものの,Fredy Studerの貢献が大きく,前作同様見逃すには惜しいと思えるアルバム。星★★★★。
Recorded in September, 1983
Personnel: Rainer Brüninghaus(p, synth), Markus Stockhausen(tp, piccolo-tp, fl-h), Fredy Studer(ds)
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