Lee KonitzとGary FosterがWarne Marshにトリビュートするとまぁこうなるか。
"Body And Soul: Dedicated to the Memory of Warne Marsh" Lee Konitz / Gary Foster (Insights)
私はGary Fosterを結構贔屓にしていて,リーダー・アルバムも何枚か保有していて,Concordに吹き込んだ"Make Your Own Fun"なんて大好きなアルバムだ。これはLee Konitzとの共演盤ながら,購入したのはGary Fosterゆえってのが正直なところだ。そして,本作ではこの二人がWarne Marshゆかりの曲,あるいはソロを採譜したものをテーマとして演奏するという企画アルバム。曲の元ネタはちゃんとライナーに書いてあるが,敢えて解説でそれを詳細に書いて枚数を稼ぐのが岩波洋三らしい(だからこの人の解説は読む気がしない)。
正直言って,私は所謂クール・ジャズにはあまり関心がないのだが,これまでGary Fosterはその一派だと思ったことはない。しかし,Warne Marshには相応の影響受けている(師事した?)らしいし,私は聞いたことはないが,共演したアルバムも残している。更には"Subconsciously"なんてリーダー作もあるから,かなりの影響ということになろう。一方のLee Konitzも古くからWarne Marshとは共演していたのだから,この組み合わせは自然なものだったと言える。
二人のベテラン+伴奏陣の演奏には全く破綻はないし,全編落ち着いたトーンで演奏が行われており,演奏そのもののクォリティには問題はない。ではあるものの,アルバムを通じて,1曲ごとの演奏時間はそこそこ長く,しかも同じような感じで演奏が続くので,変化に乏しいと感じてしまうのは仕方がない。また,曲調のせいもあって,決して刺激的な演奏ではない。よって,正直言って,途中まで聞いてもまだ半分も行っていないのかと感じてしまったということは告白しておかねばなるまい。
おそらくそういう感覚であるがゆえに,このアルバムは二軍一歩手前の場所に格納されており,そのためプレイバックの頻度も全く上がっていない。曲ごとの演奏の質は星★★★★でもいいのだが,このアルバムの作りゆえ,星★★★ぐらいになってしまうのはちょっと残念。
尚,本作は移転前のジャズ・クラブ,Body And Soulでレコーディングされたものだが,聴衆が入ってのライブ音源ではないので,念のため。
Recorded on November 7 & 8, 1995
Personnel: Lee Konitz(as), Gary Foster(as), 中島政雄(p), 岡田勉(b), Jimmy Smith(ds)
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