Derek Trucks加入後の初のAllman Brothers Bandのアルバムであり,Dicky Betts入りの最後のアルバム。
"Peakin’ at the Beacon" Allman Brothers Band (Epic/550)
Derek TrucksがAllman Brothersに参加したのは1999年,まだ20歳の頃である。しかし,早熟の天才として,スライドの腕はもはや完璧と言ってよいレベルであったことは97年のデビュー・アルバムからはっきりしていたが,Allman Brothersではどうだったのかという姿を捉えたライブ・アルバムである。そして,Allman Brothersの創設メンバーであるDicky Bettsはこのアルバムを最後に脱退(実質クビ)となったため,この二人が共演しているアルバムは本作だけということになる。
Allman BrothersはNYCのBeacon Theaterを現地でのホーム・グラウンドみたいにしていて,本作も2000年の13公演からの音源を選りすぐったものである。いかにもAllman Brothersらしいという音が詰まっていて,彼らのファンであれば,納得のアルバムだと思う。
そんな中で,やはり私の耳はついついDerek Trucksのギターに向いてしまう訳だが,やはりこのスライドの切れ味は素晴らしい。一方のDicky Bettsも優れたギタリストで,Duane Allman存命中のツイン・ギター体制こそがこのバンドが本来の姿だと思ってしまう。本作の後,バンドとのいざこざでDicky Bettsが抜けてしまうのはつくづくもったいないことだった。しかし,ここではそんないざこざがあったなんてことを思わせないタイトな演奏を繰り広げている。
さすがに最後の"High Falls"の27分越えの演奏は冗長さを感じさせない訳ではないが,アメリカン・ロック好きにはやはりAllman Brothers Bandは避けて通れませんわ。星★★★★。
Recorded Live at Beacon Theater between March 9 and 25, 2000
Personnel: Gregg Allman(vo, org, p, key), Ducky Betts(g, vo), Butch Trucks(ds, perc), Jaimoe(ds, perc), Marc Quinones(perc, vo), Oteil Burbridge(b), Derek Trucks(g)
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