リリース時はJohn McLaughlinのColtraneトリビュートとは意外だったが,これが実にいけていた。
"After the Rain" John McLaughlin(Verve)
このアルバムがリリースされたのが1995年。もう四半世紀以上前のことであり,John McLaughlinはまだ健在ながら,共演者二人は既に世を去ったところに時の流れを感じる。
本作が出た時には,John McLaughlinとJohn Coltraneが結びつかないって感じたはずだが,Santanaとno"Love Devotion Surrender"では「至上の愛 Part 1」をやっているから,全く無縁だったってことでもない。それでも収録曲全9曲のうち,6曲のColtraneゆかりの曲を演奏するトリビュート作を制作するというのは意外と言えば意外であった。しかもドラムスに迎えたのはElvin Jonesである。
私はこのトリオによるライブのブートレッグ音源を記事にしたことがある(記事はこちら)。ブートはライブだけあって,記事にも書いたように「1曲あたりの演奏時間が長く,この3者のインタープレイと各々のソロが大いに楽しめてしまう」ものだが,このスタジオ録音とて,フェードアウト等はあるものの,十分にスリリングな演奏が聞ける。
John McLaughlinはロックよりのハード・フュージョンが基本だとしても,ちゃんとジャズ・イディオムに則って演奏することもできることを実証したアルバムだと思うし,こういうのも絶対ありだなと思わせるのが素晴らしい。星★★★★☆。
Recorded on October 4 & 5, 1994
Personnel: John McLaughlin(g), Joey DeFrancesco(org), Elvin Jones(ds)
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