カントリー・シンガーによるEagles曲集を久しぶりに聞く。
"Common Thread: The Songs of the Eagles" Various Artists (Giant)
EaglesのDon Henleyが立ち上げたWalden Woods Project(WWP)の資金集めのためのベネフィット・アルバム。WWPの資金集めのためには,Don Henleyはライブも開催していて,1991年には私はDon Henley,Billy Joel,Stingという組み合わせの超豪華なコンサートを,Madison Square Gardenで観たのも懐かしい。それと並行して,こうしてベネフィット・アルバムも作られていたってことだが,お題はカントリー・シンガーによるEagles曲集。Eaglesはそもそもカントリー・ロックと言われていた訳で,カントリー・シンガーとの親和性は高いから,まぁ考えられる企画である。
曲はお馴染みのEaglesの曲が選ばれているが,カントリー・シンガーが歌うならこういう選曲にならざるをえないだろうなぁというところの曲が並んでいる。しかも,アレンジメントは原曲にかなり忠実で,皮肉な言い方をすれば,カラオケに乗って,歌の上手い人がEaglesの歌を歌っていると思ってしまうような趣さえある。
この原曲への忠実さをどう捉えるかというところが,このアルバムに対する評価の尺度になると思う。私はこれはこれでありだとは思うが,あまりに破綻がなく,予定調和的だと言われても仕方がないと思わせる。少なくとももう少しひねりがあってもいいんじゃないの?って気がしてしまう。選曲もいかにもの路線なので,チャレンジする姿勢を示すことがないのが,そもそも保守層をターゲットにするカントリー・シンガーらしい(笑)。そういうところで,星★★ぐらいにしか評価できない。これを聞くなら,オリジナル聞いてりゃいいんだもん。まぁ,300万枚も売れたらしいから,ベネフィットとしては,その役割は十分果たしたんだろうが,音楽的にはどうかねぇ...って気がする。いい曲ぞろいだが。
尚,今やEaglesのメンバーとなっているVince Gillも参加して,”I Can’t Tell You Why"を歌っているが,実際のライブではTimothy B. Schmitが歌うんだろうねぇ。伴奏陣は多数なので,Personnelは歌手陣のみ記載する。因みに,私はカントリーにはほとんど関心がないので,参加している歌手陣の名前は見たことはあっても,アルバム,あるいは曲すら聞いたことがないはずだ。まぁそんなもんだ。
Personnel: Travis Tritt, Little Texas, Clint Black, John Anderson, Alan Jackson, Suzy Bogguss, Vince Gill, Diamond Rio, Trisha Yearwood, Billy Dean, Tanya Tucker, Brooks & Dunn, Lorrie Morgan
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