David Crosbyを偲んで"CSN"ボックスを聞いている。

"CSN" Crosby Stills & Nash(Atlantic)
今年の1月に惜しくもこの世を去ったDavid Crosbyだが,その楽歴を振り返るのであれば,やはりCS&N,もしくはCSN&Yになるよなぁってところで,私がここのところ聞いていたのが,91年に編纂されたこのコンピレーション。これは私がNYCに在住している頃リリースされたものだが,この頃はこうしたコンピレーションを結構買った記憶がある。Led Zeppelin,Yes,King Crimson等,大体は70年代に活動のピークを迎えていた人たちのコンピレーションである。こうしたボックスっていうのはキャリアを総括するという意味で,その編纂に対する取り組みが結構重要だと思うが,このボックスはよく考えられたボックスだったと思う。
このボックスに収められた音源には,別ミックスだとか,完全未発表だとかの音源も収められているだけでなく,各メンバーのソロ作までカヴァーしているところがいいのだ。David Crosbyの場合は,本人のソロに加えてCrosby & Nashとしての音源も含まれている。CSNというタイトルが付いているだけに,Neil Youngのソロ作はここには入っていないが,そういうものだと思って聞けばいいし,CSN&Yとしての曲はそこそこ入っているから,看板には偽りはないのだ。
このボックスは4枚組だが,CS&N,CSN&Yとしての活動のピークはディスク1と2に収められた曲に集中していると考えてよいのは仕方のないところではある。だが,ディスク3に収められている"Just a Song before I Go"はシングルでもそこそこヒットしたはずで,なかなかの佳曲だったなぁなんて改めて思ってしまうし,彼らのハーモニーはまだまだ健在であった。彼らの生み出したハーモニーは今聞いても魅力的だし,振り返っても凄いグループだったなぁなんて今更のように思ってしまう。ディスク1に収められた"Blackbird"を聞くとそうした思いが強くなる。はまり過ぎである。
こうした音楽を生み出したDavid Crosbyのキャリアを振り返るのであれば,Byrdsでの活動にも触れるべきだろうが,まずはこのボックスだけでも彼の業績は素晴らしいものだったということがわかる。享年81歳ということで,文句は言えないところではあるが,惜しい人を亡くした。
R.I.P.
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