Arvo Pärtの「鏡の中の鏡」:この上なく美しい響き。夢見心地とはこれのことか。
"Arvo Pärt: Speigel im Spiegel" Benjamin Hudson / Sebastian Klinger / Jürgen Kruse(Brilliant Classics)
ECMの総帥,Manfred EicherがECM New Seriesを立ち上げたのはエストニアの作曲家,Arvo Pärtの音楽を世に広めるためだったという話もあるが,そのArvo Pärtの邦題「鏡の中の鏡」を聞いていると,まさにEicherの指向と合致しているよなぁって気がしてくる。
一般の現代音楽に感じられる難解さなんてものは皆無であり,ミニマリズムの中から浮き上がる美的な感覚は,もはやアンビエント・ミュージックと呼びたくなる。この「鏡の中の鏡」はその後もさまざまな楽器編成で連作として発表されているが,ここに収められたものが初出の編成(ヴァイオリン+ピアノ,ヴィオラ+ピアノ,チェロ+ピアノ)ということになるようだ。それに"Für Alina"ほかの3曲を加えた全6曲には心地よい響きだけが収められていると言ってよく,まさに夢見心地になるような音楽なのだ。
音楽に刺激を求めるリスナーにとっては全く無縁の音楽と言えるだろうが,私にとっては精神衛生上実に好ましい音である。心がささくれ立った時に確実に役立つと思える美的音源。素晴らしい。星★★★★★。
Personnel: Benjamin Hudson(vln, vla), Sebastian Klinger(cello), Jürgen Kruse(p)
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