来た!クリポタの新作はアコースティック・クァルテットによるVanguard Live。
"Got the Keys to the Kingdom" Chris Potter (Edition)
クリポタことChris Potterの待望の新作である。今回は主題の通り,完全アコースティック・クァルテットによる名門Village Vanguardにおけるライブである。Vanguardでのアルバムは"Lift","Follow the Red Line"に続く3枚目だと思うが,Vanguardでのライブ録音が許されること,しかも複数回という自体が,クリポタのジャズ・ミュージシャンとしてのクォリティを示していると思う。
いかなる編成においても,いけている音楽を届けるのがクリポタではあるが,自身のアルバムでこうした完全アコースティックというのはECMのアルバム以来,結構久しぶりのことだと思う。しかも今回はテナー一本で勝負である。今やDown Beat誌の読者投票で#1テナーに選ばれているクリポタである。クリポタの新譜というだけでなく,こうした編成におけるライブには自ずと期待が高まることは言うまでもない。
今回,クリポタを支えるのはオリジナルUndergroundのメンバーでもあったCraig Taborn,そして自身のリーダー作にクリポタを招くScott Colley,そして"The Dreamer Is the Dream"やJoe Martinとのアルバムでも共演したMarcus Gilmoreということで,メンツもクリポタを理解している面々だけにこれはもう間違いない。
クリポタの吹奏にはついついイケイケな感覚を求めがちな中で,このアルバムはちゃんとバランスを取っていて,クリポタのテナー・プレイヤーとしての実力が十分に感じられるアルバムとなっているし,スローだろうがミディアムだろうが,そこで繰り出されるフレージングの見事さにはケチのつけようがない。冒頭の"You Gotta Move"の渋い立ち上がりからまいってしまった私である。その一方で,私としては"Lift"のイケイケ感が懐かしくも感じられるが,これがミュージシャンとしての成熟というものではないかと思ってしまった私である。渋さと興奮がいい具合に混ざり合いながら,まるでVanguardの現場にいるような臨場感に満ちた音が聴けるのも嬉しい。
いずれにしても,現在のジャズ・シーンにおいてクリポタが最も優れたテナー・プレイヤーであることを実証したアルバム。星★★★★★。
Recorded Live at the Village Vanguard in February, 2022
Personnel: Chris Potter(ts), Craig Taborn(p), Scott Colley(b), Marcus Gilmore(ds)
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コメント
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閣下、リンクをありがとうございました。m(_ _)m
やっぱり、クリポタええわぁ。。
巧すぎてつまらん、とか、いう人は偏見の塊だとおもってます!
一筋縄でいかないアレンジを施した曲を、瞬間インプロヴィゼーションで超絶に交わる熱い演奏。
このメンバーで、来日してほしいですね!
私のリンクも置いていきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-cd490b.html
投稿: Suzuck | 2023年3月11日 (土) 10時51分
Suzuckさん,こんにちは。リンクありがとうございます。
>やっぱり、クリポタええわぁ。。
>巧すぎてつまらん、とか、いう人は偏見の塊だとおもってます!
そうですよねぇ。現在のジャズ界においてナンバーワン・テナーはクリポタだと言って過言ではありませんね。
>一筋縄でいかないアレンジを施した曲を、瞬間インプロヴィゼーションで超絶に交わる熱い演奏。
>このメンバーで、来日してほしいですね!
はい。Underground,Circuits,そしてこのクァルテットによるクリポタ祭りを開催して欲しいですわ。
投稿: 中年音楽狂 | 2023年3月11日 (土) 13時51分