Wayne Shorterを偲ぶなら,やっぱりこっちにしようってことで,”Adam’s Apple"。
"Adam’s Apple" Wayne Shorter(Blue Note)
昨日,Wayne Shorterを偲んで,"Heavy Weather"について書いた私だったが,Wayne Shorterを追悼するならやっぱりBlue Note盤だということで,改めて取り出したのがこのワン・ホーン・クァルテット盤である。この頃はまだソプラノを吹いていないが,Wayne Shorterのテナー・サックスを堪能するにはワン・ホーンが最適ということでのチョイスとなった。
冒頭のタイトル・トラックから痺れるような音である。ここでの演奏を聞いていると,Wayne Shorterという人を失った喪失感が強まるが,それでもこうした演奏はレガシーとして受け継がれていくのだからよしとせねばならない。
改めてクレジットを見ると"502 Blues"ってのはJimmy Rowles作だったのねぇと気づいて,思わずへぇ~となってしまった。Jimmy RowlesとWayne Shorterって簡単には結びつかないと思うが,Wayne Shorterのオリジナルって言っても通じそうな演奏だ。このアルバムには"Footprints"のようによく知られたWayne Shorterのオリジナルも入っていて,まさに聞きどころ満載であった。
私がこのアルバムをアナログ,CDの双方で保有しているのはなんでだろうと思ったのだが,その理由は次のようなものと思い出した。確かラズウェル細木の漫画に書いてあったことに影響されてのことだったようにも思う。このアルバムのCD版にはボートラとして"The Collector"が入っているのだが,この曲,もともとキング・レコードがBlue Noteレーベルの未発表音源シリーズの一枚である"The Collector"として発掘したものだ。
ところが,後年になって,このアルバムに収められた別セッションのみの音源を集めたアルバムが,"Etcetra"としてリリースされたのだが,そこからは"The Collector"がはずれ,新たに"Toy Tune"が加わっている。"The Collector"のアナログを保有している私にとって,CDとしてこの時の演奏を揃えるためには,"Adam's Apple"のCDと"Etcetra"を入手する必要があったということだ。我ながらよくやるわとは思うが,こうした行動を取った頃には,私はアナログ再生環境が必ずしも整っていなかったので,CDに依存していたということだと思う。
今にしてみれば,この"Etcetra"というアルバムは"Adam's Apple"に比べると,メンツもベース以外は同じにもかかわらず,若干地味に聞こえるところがある。しかし,Wayne Shorterのオリジナルに加えて,Gil Evansの"Barracudas"とかもやっていて,これはこれでちゃんと聞いておいて損はない。今回のWayne Shorterの訃報を受けての聞き直しとなったが,温故知新の機会を与えてくれたと思っている。
やはりこういう演奏の方がWayne Shorterらしいなとついつい思ってしまうが,ここ暫くはWayne Shorterの音源を一日一枚プレイバックしていくって感じになりそうだ。尚,下記のデータは"Adam’s Apple"のもの。
Recorded on February 3 & 24,1966
Personnel: Wayne Shorter(ts), Herbie Hancock(p), Reginald Workman(b), Joe Chambers(ds)
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