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2023年3月19日 (日)

雨の日には現代音楽なのだ(笑)。

_20230318「近藤譲:線の音楽」Various Artists(ALM)

ライナーの冒頭に近藤譲が「これは拒絶の音楽を探し求める旅のひとつの道程である。」なんて書いていて,そこからしてハードルが上がりそうだが,私が現代音楽を聞く場合,それは一種のアンビエント・ミュージックみたいになってしまう部分がある。つまり,私にとっては拒絶の真逆みたいな感じで現代音楽に接することが多い,と言うか,私が好んで聞く現代音楽はピアノ音楽がほとんどであり,そこには激しさよりも静謐さが勝っていることがほとんどなのだ。

近藤譲は更に『「線の音楽」は,切目なく続く際限のない音の列といった形体をもち,常に或種の単純さに取り巻かれている。」なんて書いていて,正直言って実に小難しいのだが,私にとってはここでの音列に身を委ねればいいように思ってしまう。

私にとってこういう音楽を聞くのに適しているのは大抵が雨の日って感じなのだが,今回これを聞いたのも雨の日の午後であった。家人が出掛けている間に料理を作りながら,こういう音楽をプレイバックしている私も変態だと思うが,ここでの楽器群の響きが何とも心地よく感じてしまうのである。

ここには複数のミュージシャンが複数の編成で演奏を行っているが,特に面白いと思ったのは篠崎史子がハープの多重録音を行った"Orient Orientation"であった。あたかもプリペアド・ピアノのようにさえ響くハープの音色というのが何ともユニーク。また,バンジョー,ギター2本,大正琴,ハープにハーモニカという何とも奇妙な編成の"Pass"なんかは,普通の人が聞いたら何じゃこれは?としか思えない響きだが,これまた聞いたことがないって感じなのだ。でも料理の邪魔にはならない(爆)。そうは言いつつ,アルバムとしては後半に向かうほど,ハードルは高くなるというところ。

全編を通して,何とも不思議な響きに包まれたアルバムではあるが,こういうのもたまに聞きたくなってしまうという私を不思議に感じる人がいても,まぁそれは仕方ないだろう。でも結局は何だかんだ言って好きなんだよねぇ。

Personnel: 高橋悠治(p), 篠﨑史子(harp),小泉浩(fl),山口恭範(marimba, hca),高橋アキ(p,大正琴,el-p),佐藤紀雄(bjo),志村菊夫(g),曽我傑(g),川合良一(cond),篠﨑功子(vla),篠﨑正嗣(vla),永島義男(b)

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