奇しくもBurt Bacharach追悼作となってしまった”The Songs of Bacharach & Costello”。
”The Songs of Burt Bacharach & Elvis Costello" Burt Bacharach / Elvis Costello / Various Artists(Universal,
先日,惜しまれつつ世を去ったBurt Bachrachの生前からリリースが予告されていたElvis Costelloとの作品集がデリバリーされた。結果的には追悼作品のようになってしまったのは返す返すも残念なことであるが,このアルバムを聞いて改めて,音楽界の巨人,Burt Bacharachを偲ぶこととしたい。
私がゲットしたのは2枚組の輸入盤だが,1枚目はBurt BacharachとElvis Costelloの共演盤であえる"Painted from Memory"のリマスター音源。私はもともとこのアルバムを保有しているので,その素晴らしさはわかっているつもりだったが,改めて聞いてみても実に沁みる。いい曲をいい歌い手が歌えばいいに決まっているというのを実証している。もはや"Painted from Memory"がリリースされてから四半世紀というところにも時の流れを感じるが,それでもここに収められた曲は,エヴァーグリーンと呼んでいい出来の曲ばかりだと言いたい。
そして,注目すべきは新録音や未発表曲を含んだCD2ということになるが,これは正直言って玉石混交って感じが強い。痺れる曲もあれば,う~むと言いたくなる曲もあるが,特に私にはJenni Muldaurと相性が悪いって感じだ。そんな中で,私にとって驚きだったのは"Photographs Can Lie"のような曲が既にリリースされていたってことである。これは2018年にリリースされたElvis Costelloの"Look Now"に含まれていた曲とのことだが,そのアルバムだって聞いたことがなかったし,そこでこの二人のコラボが聞けるなんてことも,全く認識していなかったことを恥じたくなるほどいい曲なのだ。無知とは恐ろしいと改めて感じたのであった。
結局のところ,このアルバムを聞いて,予め才能ある人間同士が組めば,相応の作品が生まれるとはわかっていても,こっちの期待値をはるかに上回る成果をこの二人は残したということを改めて実感した私であった。そうしたことも含めて星★★★★★。参加メンバー多数なので,Personnelは省略するが,どこから聞いても楽しめることは間違いない。
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