久しぶりにGreat Jazz Trioを聞く。
"Live at the Village Vanguard Vol.1/2" The Great Jazz Trio(East Wind)
実に懐かしいアルバムである。このアルバムがリリースされた頃に私はジャズを聞き始めたのだが,当初はクロスオーバーからって感じだった私が,最初期に購入したオーソドックスなジャズ・アルバムの一つだったように思う。
その後,The Great Jazz Trioと名乗りながら,メンツはどんどん変わっていき,ついにはHank Jones以外のどこがGreatやねん?みたいなメンツでもアルバムを出していたが,私が現在保有しているのはオリジナルのトリオによるVanguardのライブ盤(後に発掘された"At the Village Vanguard Again"を含む)とナベサダとの共演盤2枚だけとなっているし,そもそもこれら以外のアルバムはほぼ購入した記憶もない。いずれにしても,その後,雨後の筍のように登場したXX Jazz Trioの先駆けであることは間違いないし,少なくともこのアルバムについては今でもよく出来たアルバムだったと思っている。
私が保有しているのはVol.1(上のジャケ)とVol.2(下のジャケ)が全部入ったお徳用CD(上のジャケ)だが,改めて聞いてみると,ここでの演奏は実に選曲がよかったなぁと思ってしまう。Hank Jonesという人は万能ピアニストみたいにも思えるが,私としては非常に品のいいピアニストだと思える。そのHank Jonesのプレイと,ここでの曲のフィット感が実に素晴らしいのだ。そしてHank Jonesを支えるTony Williamsのダイナミズム溢れるドラミングが一方の聴き物であることは間違いない。当時はまだ私のRon Carter嫌いは発症していない(笑)が,ここでの音は下品さを感じない程度に録られていて,まだ許せるレベルなのも今の私にとっては大きい(と言っても,Ron Carterのソロになるとう~むとなるが...)。
いずれにしても,世代間ギャップのあるミュージシャン3人が揃って,これだけの演奏を聞かせるということ自体に,音楽の素晴らしさを感じるとともに,これをリリースしたのが日本のレーベルだということは誠に喜ばしい。海外レコーディングは今や当たり前になっているが,この当時にこのアルバムが出たということは,日本のレコード業界においても輝かしい業績として捉えるべき傑作。そうした歴史的な意義も含めて星★★★★★としてしまおう。
尚,私が保有するお徳用盤はいまや入手は難しそうだが,バラでならいくらでも手に入るだろう。ただ,この徳用盤,レコーディング・データが全然記述がないとか,録音日のクレジットに不備があるなど,かなり適当なつくりなのも事実で,この辺は批判されるべきだな。
Recorded live at the Village Vanguard on February 19 & 20, 1977
Personnel: Hank Jones(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)
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