オリジナル・メンバーを加えて一時期復活した10CCのアルバムを聞く。
今でも現役でライブを続ける10CCではあるが,オリジナル・メンバーで残っているのはGraham Gouldmanだけという片翼飛行みたいな状態と言ってもよい。しかし,私が最後に彼らのライブを観た時には,まだまだ現役感たっぷりで十分楽しんだのも懐かしい。それももはや8年以上前のことになるというのが恐ろしい。そんな彼らは現在もライブ活動を続けていて,2023年のツアー・スケジュールもWebサイトに掲載されている。
それはさておき,このアルバムは一旦解散した10CCがオリジナル・メンバーを交えて一時期復活した時のアルバムで,Gedley & Cremeチームもゲスト扱いながら,4人が揃ったかたちでのアルバムということで話題になったのも懐かしいが,それももはや30年以上前になってしまった。
本作はSteely Danでお馴染みのGary Katzがプロデュースというのも注目されたが,Steely Danのようにスタジオ・レコーディングを粋を尽くすと言うよりも,良質なミュージシャンを集結させ,10CCの生み出すポップな音楽を奏でるって感じか。ドラムスは全編Jeff Porccaroが叩いているし,ベースはFreddie Washingtonに任せている。更にはDr. Johnが3曲でピアノを弾いているというのも意外と言えば意外な取り合わせって気がする。
曲はそこそこの佳曲が揃っているのだが,決定的な印象を与える曲に欠けるという印象は否めない。そうは言っても,ポップ職人としてのEric StewartとGraham Gouldmanの技量は衰えていないというところではある。私のようなロートルは昔のアルバムを聞いていればええわっていう話もあるが,それでもこれはこれで楽しめばいいのではないか。星★★★★。
このアルバムのライナーには,1曲でKevin Godleyがリード・ヴォーカルを取る以外はEric Stewartがリード・ヴォーカルを務めると書いてあるが,若干疑わしいところはあるものの,Eric Stewartはミキシングにも関わっているところを見ると,Eric Stewart主導でのプロジェクトだったのではないかと思わせるが,今やEric Stewartは10CCと完全決別になってしまったようなのはちょっと惜しい気がする。
Personnel: Eric Stewart(vo, p, el-p, g), Graham Gouldman(g, vo), Kevin Godley(vo), Lol Creme(vo), Mac Rebeback(p), David Paich(org, synth), Paul Griffin(synth), Michael Landau(g), Gordon Gaines(g), Andrew Gold(g), Freddie Washington(b), Jeff Porcaro(ds), Bashiri Johnson(perc), Frank Floyd(vo), Fonzi Thornton(vo), Curtis King(vo), Tawatha Agee(vo), Vaneese Thomas(vo), Jerry Hay(tp), Gary Grant(tp), Bill Reichenbach(tb), Dan Higgins(sax), Kim Hatchcraft(sax)
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