今更ながらのMonk~GriffinのFive Spot完全版。
"Complete Live at the Five Spot 1958" Thelonious Monk Quartet Featuring Johnny Griffin(Esseential Jazz Classics)
Thelonious MonkとJohnny Griffinが共演したFive Spotでのライブ盤2枚,"In Action"と"Misterioso"はMonkファンのみならず,ジャズ・ファンから愛されてきたアルバムだったと思う。私はジャズ喫茶とかでは聞いていたが,アルバムとして登場したのが出会ったのがこの2枚組である。
このアルバムは前述の2枚のアルバムに加え,その録音に先立つこと約1か月のJohnny Griffin入りの同じくFive Spotでのライブ音源を集成したもので,これは丁度いいわってことで購入したもの。本作は以前からリリースされていたようだが,今回私が入手したアルバムには新しいライナー・ノートが付いていて,それにオリジナルのライナーも付くというなかなか良心的な編集方針である。
改めて聴いてみると,Johnny GriffinとMonkの相性は結構よかったなと思ってしまったが,癖のあるMonkの曲をばっちり吹いてしまうところが実力のあるミュージシャンの「仕事」ってことなのかもしれない。
元々の"In Action"と"Misterioso"が1958年8月7日録音で,本作に追加されているのは同年7月9日の演奏なのだが,ライナーによれば,Monkが出来に難色を示したので,もう1回のセッションが行われたということらしい。だが,こっちのセッションの最後の曲には,Roy Haynesに代わって,観に来ていたらしいArt Blakeyがシット・インするという瞬間も捉えられており,これはこれで結構貴重ってことになるだろう。そうは言っても,これもCDのボートラとして知られた既発音源なので,既に7月9日の演奏を聞いたことがあれば,改めてこのCDを購入する必要はないが,私のように今まで保有していなかったような人間にとっては渡りに船のようなアルバム。星★★★★★。まぁ最後の2月25日のスタジオ録音,"Coming on the Hudson"はあってもなくてもって感じだが(苦笑)。
余談ながら,オリジナルの"In Action"のジャケは強烈にジャズを感じさせるナイスなデザインだと思うので,画像を貼り付けておこう。
Recorded Live at Five Spot Cafe on August 7 and July 9, 1958 and on February 25, 1958
Personnel: Thelonious Monk(p), Johnny Griffin(ts), Ahmed-Abdul Malik(b), Roy Haynes(ds), Art Blakey(ds), Donald Byrd(tp), Pepper Adams(bs), Wilbur Ware(b), Philly Joe Jones(ds)
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