音量を上げて森山威男のビートを浴びたい「マナ」
これは激しい。本作にはスロー・ナンバー中心の「虹の彼方に」という姉妹編があるが,それとは全く趣を異にする爆裂音楽と言ってよい。とにかく冒頭から森山威男の激しいパルスにフロント陣が激しいソロで応えるって感じの音楽で,ついついボリューム・ノブを右に回してしまった私である。
今から30年近く前の音源であるが,冒頭の板橋文夫のオリジナル"Sunrise"から,そんな時の流れなど全く影響しないとでも言いたくなる爆発的なエネルギーを放出している。聴衆の興奮も当然と言いたくなるような演奏には,ついついこっちも反応しちまうぜ!ってところだ。
聞く人によっては,うるさいだけの音楽だとなるかもしれないところだが,この高い興奮度を招く演奏から得られるカタルシスってものがあって,私はこの音源を聞いて燃えに燃えたのであった。こんな演奏をしてしまっては燃え尽き症候群に陥っても仕方ないと言える演奏。この激しさを受け入れられるリスナーにとっては,これ以上の満足度はなかなか得られないと言ってよいアルバム。入手が必ずしも容易でないというのはもったいない。星★★★★★。
Recorded Live on April 24, 1994
Personnel: 森山威男(ds), 井上淑彦(ts, ss), 林栄一(as), 板橋文夫(p), 吉野弘志(b)
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