Harper Brothersを迎えたTete Montlieuのライブ盤。
"En el San Juan" Tete Montlieu(Nuevo Medios)
このアルバムを初めて聞いたのは,今はなき高田馬場のマイルストーンだったはずだ。マイルストーンは学生時代からよく通った店であったが,卒業後もたまに顔を出していたのだが,店のアンビエンスに合致したリラックス感が心地よく感じられて,その後すぐに購入したように思う。
Tete Montlieuが亡くなったのは97年だが,このライブが録音されたのが95年なので,晩年のアルバムということになるが,ここではHarper Brothersを迎えての演奏というのが珍しい。Harper Brothersの活動期間からはちょっとはずれた時期になっているが,このライブのために特別に再編したって感じだろうか。北川潔も参加しての演奏である。
Tete Montlieu以外のプレイヤーに注目されるところであるが,Harper Brothersはそれなりの演奏。もう一人Danny Harperなるフリューゲルホーンが参加しているが,この人はHarper Brothersの弟らしいのだが,トランペットのPhillip Harperに比べると技量はかなり落ちるって感じである。むしろここでの演奏で注目されたのがテナーのStephen Rileyだろう。この人,その後SteepleChaseにリーダー作を何枚も吹き込んでいる人だが,このライブの当時は20歳そこそこの若手だったはずにもかかわらず,なかなかの実力者だと思わせるのが拾い物であった。
最近,このアルバムはアナログ2枚組で再発されたようだが,演奏としては特に優れたものということでもない。しかし,上述の通り,リラックス感はあって,そこそこ楽しめるアルバムだと思う。星★★★☆。
因みにHarper BrothersのWinard Harper,Phillip Harperは現在は個別に活動しているようだが,あまり目立った活動とは言えないし,あまりアルバムのリリースもされていない。以前はVillage Vanguardでのライブ音源も残しているが,その後の失速感は否めない。私の感覚では,Stephen Rileyの活動ぶりが当然と思えるのと対照的だ。
Recorded Live at Colegio Mayor San Juan Evangelista on June 19, 1995
Personnel: Tete Montlieu(p), Phillip Harper(tp), Danny Harper(fl-h), Stephen Riley(ts), 北川潔(b), Winard Harper(ds)
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