ライブ演奏なのにフェード・アウト?と驚いたのも今は昔の10CCのライブ・アルバム。
"Live and Let Live" 10CC(Mercury)
以前にも書いたことだが,10CCの全盛期は70年代中盤から後半にかけての時期だと思うが,そうした時期にリリースされたのがこのライブ・アルバムである。以前,私は本作をアナログ盤で保有していたが,今ではMercury時代(75-78年)のアルバムを集成したボックス・セットに収められたものとして聞いている。このボックス,どうせなら1stと"Sheet Music"も入れてくれればよかったのにと思うが,まぁいいや。
このアルバムを初めて聞いた時,ライブ演奏にもかかわらずフェードアウトする曲があってびっくりさせられたものだが,当時の論調はスタジオでの演奏を再現する「能力」みたいな感じだったように記憶する。しかし,10CCの曲はそんなテクニカルなものではないので,プロダクションに対するこだわりの裏返しと考える方が正確ではないかと思える。
このアルバムはGodley & Creme組が抜けた後にリリースされた"Deceptive Bend"ツアーの位置づけらしく,同作からの曲が多く,過去のヒット・パレード的ではないが,当時の10CCの進行形のライブというかたちで捉えればいいものだろう。その辺り,ベスト盤的な位置づけにしていいようにも思えるが,ソングライターとしてのEric StewartとGraham Gouldmanは,Godley & Creme色を薄めたいと思っていたのかもなぁと思う。
いずれにしてもよく出来たライブ盤で,バンドの実力も十分捉えられたものだと思う。そして,やっぱりいい曲書くわと改めて感じさせられた。星★★★★。しかし,このジャケは...ってところだが。
Recorded Live at Hammersmith Odeon on June 18-20 and at Manchester Apollo on July 16-17, 1977
Personnel: Eric Stewart(vo, g, p, el-p), Graham Gouldman(vo, b, g), Rick Fenn(g, b, vo), Tony O'Malley(vo, p, key, synth), Paul Burgess(ds, perc, el-p), Stewart Tosh(ds, perc, vo)
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