Michel Petruccianiの"Pianism":このトリオはやっぱりいいと思う。
"Pianism" Michel Petrucciani Trio(Blue Note)
以前にも書いたが,何枚かCDは保有していても,私は決してMichel Petruccianiを熱心に聞いてきた訳ではない。そんな私がこれまでのMichel Petruccianiのアルバムで最も聞く頻度が高かったのは,Concordから出たVillage Vanguardでのライブ盤であった。そこにおけるPalle DanielssonとElliot Zigmundとのトリオはバランスもよく,魅力的に響くトリオだったと思っている。本作はその後,Michel PetruccianiがBlue Noteレーベルと契約してリリースした第1弾のアルバムだが,そのトリオによる演奏ということで,改めて中古でCDをゲットして聞いてみた。
これがトリオのメンバーに恵まれてと言うところを強く感じさせる,ナイスなアルバムであった。全6曲中4曲がPetruccianiのオリジナルで,残るが"Night and Day"と"Here's That Rainy Day"という鉄板のような構成で,どれもがMichel Petruccianiのピアノの美学が表出した演奏で,アルバム・タイトル"Pianism"に偽りなしって感じだ。決してBlue Note第1作だからと言って,派手派手しくならず,力みなく抑制された演奏は非常に好感度が高い。そして,このアルバムのピークは最後の"Regina"でやって来る。これが実にいい曲で,作曲能力も大したものだったと改めて思わされてしまった。
このアルバムのレコーディング時には,Michel Petruccianiは23歳になる直前であったということからも,いかにこの人が早熟なミュージシャンであったかを示している。まさに天賦の才能と言ってもよいのかもしれない。思えば,肉体的なハンディキャップを抱えながらのピアノ・プレイだったにもかかわらず,これだけの演奏を聞かせることには驚きを禁じ得ないが,36歳での早逝にもかかわらず,そこそこの枚数のアルバムを残せたことは不幸中の幸いであった。こういうのを改めて聞いてしまうと,ほかのアルバムもちゃんと聞かないといかんなぁと,今更ながら思っている私である。反省も込めて星★★★★☆。
Recorded on December 20, 1985
Personnel: Michel Petrucciani(p), Palle Danielsson(b), Elliot Zigmund(ds)
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