これがトリオのメンバーに恵まれてと言うところを強く感じさせる,ナイスなアルバムであった。全6曲中4曲がPetruccianiのオリジナルで,残るが"Night and Day"と"Here's That Rainy Day"という鉄板のような構成で,どれもがMichel Petruccianiのピアノの美学が表出した演奏で,アルバム・タイトル"Pianism"に偽りなしって感じだ。決してBlue Note第1作だからと言って,派手派手しくならず,力みなく抑制された演奏は非常に好感度が高い。そして,このアルバムのピークは最後の"Regina"でやって来る。これが実にいい曲で,作曲能力も大したものだったと改めて思わされてしまった。
Alex Sipiaginのアルバムは大体がよく出来ていて,非常に平均点が高いミュージシャンだと思っている。だからと言って全部買いをしている訳ではなく,昨年リリースした"Ascent to the Blues"はスルーしてしまっていた。このブログで最後に彼のアルバムを取り上げたのはその前の"Upstream"に遡る(記事はこちら)。そこでもCriss Crossレーベルのことを書いているが,創設者Gerry Teekensの死によって,一時期存続が危ぶまれたものの,その後も活動は継続され,本作のような新譜がリリースされることは実に喜ばしい。そして,このいかにもCriss Crossらしい豪華なメンツには期待が高まる訳だ。
このアルバムは50年代に録音されていながら,1999年まで長年未発表だったアルバムである。このブログでHampton Hawesのアルバムを取り上げる機会は稀ではあるが,私にとってはCharlie Hadenとのデュオ盤である"As Long As There's Music"が印象深いが,バップ・スタイルのHampton Hawesも素晴らしいと思っているし,ちゃんとContemporaryからのアルバムも何枚かは保有している。記事にしていないだけなのだ(苦笑)。
そして2曲目"Poochie Pie"の冒頭から響くLars Danielssonのベースの音が実に生々しくも腹に響く。エレクトリックとアコースティックをうまく配分,両立させた音楽は刺激的である。それに続くのがBjorkが主演した"Dancer in the Dark"から”I’ve Seen It All"だったり,"Flamenco Sketch"やら"Naima"までやっているのは何とも不思議な感覚であるが,どんな曲をやってもクールな感覚には変化がない。
Personnel: Mike Mainieri(vib, marimba), Nils-Petter Molvær(tp), Bendik Hofseth(sax), Bugge Wesseltoft(key, synth, p, prepared-p), Elvind Aarset(g), Lars Danielsson(b), Andere Engen(ds), Paolo Vinaccia(perc), Jan Bang(sample, prog), DJ Strangefruit(turntable), Joyce Hammann(vln), Laura Seaten(vln), Ron Carbone(vla), David Eggar(cello), Gil Goldstein(string-arr)
Recorded Live at Hammersmith Odeon on June 18-20 and at Manchester Apollo on July 16-17, 1977
Personnel: Eric Stewart(vo, g, p, el-p), Graham Gouldman(vo, b, g), Rick Fenn(g, b, vo), Tony O'Malley(vo, p, key, synth), Paul Burgess(ds, perc, el-p), Stewart Tosh(ds, perc, vo)
Art Pepperの音楽に関しては,50年代から60年代前半までと,70年代になってからの復帰後でどちらがいいかという議論は今でも存在していると思う。前にも書いたと思うが,私としては古い音源の方に愛着はあるものの,復帰後には復帰後なりの魅力があると思っている。
本作は"Living Legend"で本格的に復帰して,3作目のアルバムということになるが,アルトとテナーの両方を吹く"Mambo De La Pinta"に象徴されるような,John Coltraneに影響を受けたと思しき激しいブロウっぷりには今更ながらびっくりさせられる。アルバム全体を通して,Art Pepperに関しては問題ないのだが,このアルバムになかなか手が伸びない理由を考えると,ベースとドラムスにあると今回久しぶりに聴いて思ってしまった。
よって,Art Pepperの演奏は評価できても,収められた音自体で積極的に聞く気がなくなるという不幸なアルバム。"Ballad of the Sad Young Man"とか"My Laurie"のバラッド表現はいいと思えるだけに惜しいねぇ。星★★★☆。因みに"Ballad of the Sad Young Man"は,Art PepperがラジオでRobert Flackのこの歌を聴いて,感動して吹き込みを決意したという意外なエピソードもライナーに書かれている。
先日ゲットしたLittle FeatのWarner音源の集成ボックスをランダムに聞いている。本日は6作目のアルバム,"Time Loves a Hero"なのだが,これが随分Little Featに私が持つ印象と異なるサウンドでびっくりしてしまった。
端的に言ってしまえば,泥臭いイメージではなく,洗練された都会的サウンドと言うべきか。Doobie BrothersがMichael McDonaldの加入と,Tom Johnsonの病気によってバンド・サウンドが変化させた時を思い起こさせるような違いを感じる。だって,"Day at the Dog Races" なんて変拍子のインストだし,都会的ファンク・フレイヴァーもそこかしこに聞かれる。これはリーダー,Lowell Georgeがリード・ヴォーカルを3曲しか取っていないことから,アルバムへの関与度が低いことを反映したものと言えるかもしれないが,この違いをどう受けとめるかによって評価が変わるアルバムだ。
このサウンドの変化を裏付けるように,このアルバムにはDoobie BrothersからMichael McDonald,Patrick Simmons,Jeff "Skunk" Baxterがゲストで参加しているが,特にMikeとPatがヴォーカルで参加した"Red Streamliner"なんて,もろに"Takin’ It to the Streets"で聞かせたDoobie Brothersのサウンドを踏襲したものと言ってもよい。この曲を書いたのはBill Payneだが,Bill PayneはDoobiesのアルバムにも参加していたし,まぁ相互の触発ってのはあったのかもしれないが,それにしてもこれにはびっくりしてしまう。まぁ,プロデューサーが同じTed Templemanだったってこともあるだろう。
Doobie Brothersの場合はサウンドの洗練化後も,特にアルバム,"Minute by Minute"で大きな成功を収めたが,Little Featの場合,本作の次作は"Waiting for Columbus"であるから,従来路線に戻ったことからすれば,これはやはり一時的なものであったと考えた方がいいのかもしれない。だが,音楽だけで冷静に判断すれば,これはこれでありだと思わせるし,決して悪いアルバムとは思わない。単にそれまでのイメージと違うということが,Little Featファンからは反感があったかもしれないが,私のようにこれまで彼らの音楽に対して触れていない人間からすると,「へぇ~」って感じであった(笑)。彼らの本質とは違うかもしれないが,音楽としては相応に楽しめる。星★★★★。
Personnel: Paul Barrère(vo, g), Sam Clayton(perc, vo), Lowell George(vo, g), Kenny Gradney(b), Richie Hayward(ds, perc, vo), Bill Payne(vo, p, synth, marimba) with Greg Adams(tp), Jeff "Skunk" Baxter(dobro), Emilio Castillo(ts), Mic Gillette(tb, tp), Stephen "Soc" Kupka(bs), Michael McDonald(vo), Lenny Pickett(as, ts), Patrick Simmons(g, vo), Fred Tackett(mandocello, g)
まぁ,こういうイベントのライブであるから,お祭り的なものとして捉えるべきで,出来がどうこうと言うべきものではないが,それにしても凄いメンツが集ったことにはやはり驚きを隠せないと言うべきだろう。意外なところでは,本イベントでVanessa Williamsとともにホストを務めたHerbie Hancockが,John McLaughlinのデュオで,Bill Evansに捧げる"Turn Out the Stars"をやっているが,これもJohn McLaughlinが"Time Remembered"というアルバムで,Bill Evansの曲を演奏していたことを踏まえてってところか。それでもこのライブにおけるハイライトはAntonio Carlos JobimとPat Methenyのデュオによる"How Insensitive"になってしまうのかもしれないなぁ。Jobimのヴォーカルは相変わらずのヘタウマの世界だが...(笑)。ついでに言っておくと,Verveレーベルとは縁のなかったはずのMiles DavisにもちゃんとトリビュートしているところがMiles Davisたる所以か。Herbie HancockとJohn McLaughlinほかで"It’s About That Time"をやっているが,演奏ははっきり言って大したことないな(苦笑)。
Personnel: Don Alias(perc), Tom Barney(b), Dee Dee Bridgewater(vo), Ray Brown(b), Kenny Burrell(g), Betty Carter(vo), Peter Delano(p), Al Foster(ds), Charlie Haden(b), Herbie Hancock(p, key), Roy Hargrove(tp), Joe Henderson(ts), Bruce Hornsby(p, el-p), Antonio Carlos Jobim(p, vo), J.J.Johnson(tb), Hank Jones(p), Abbey Lincoln(vo), Jeff Lorber(key, ), Christian McBride(b), John McLaughlin(g), Jackie McLean(as), Pat Metheny(g), Art Porter(as), Stephen Scott(p), Jimmy Smith(org), Gary Thomas(ts), Kenny Washington(ds), Vanessa Williams(vo), 山下洋輔(p) with the Carngie Hall Jazz Band: Randy Brecker(tp), Earl Gardner(tp), Lew Soloff(tp), Byron Stripling(tp), Slide Hampton(tb), Doug Purviance(tb), Steve Turre(tb, shells), Dennis Wilson(tb), Jerry Dodgion(as), Franks Wess(as), Alex Foster(ts), Willie Williams(ts), Gary Smulyan(bs), Renee Rosness(p, el-p), Dennis Irwin(b), Kenny Washington(ds), Don Sickler(cond)
Everything but the Girlがこの春,24年ぶりとなる新作"Fuse"をリリースするというニュースは,長年の彼らのファンにとっては待望と言ってよい知らせであった。その間,Ben Watt,Tracy Thornの各々がソロ・アルバムをリリースしていて,それらはそれらで実によいアルバムだったのだが,この二人がユニットで生み出すサウンドへの渇望感も一方に存在していたのは事実であった。
そんな彼らがアルバムのリリースを前に先行して"Nothing Left to Lose"のMVを公開しているが,これを見ると,どちらかと言えばやはり後期の彼らのサウンドを踏襲した感じかなと思えるものである。私にとって,彼らのアルバムはリミックス音源を集めた"Adapt or Die: Ten Years of Remixes"が最新のものということになるが,Ben Wattが一時期DJ活動に熱心だったこともあり,アコースティックな路線ではないとは思っていたが,まずは想定通りというところか。いずれにしても,新作がアルバム全体を通して,どのようなサウンドになっているかが楽しみであり,リリースを首を長くして待っている私である。
ということで,"Nothing Left to Lose"の映像を貼り付けておこう。それにしても,上の近影を見ると,Tracy Thornの髪が綺麗な白髪になっているが,彼女は私とほぼ同年代(私より一つ下)なので,染めているのかなぁなんて想像してしまった。
更にそれに続く"Speed"はDavid Hodekのドラムス・ソロなのだが,これも1分50秒でフェードアウトし,次の"To Nowhere And Back"は13分越えの演奏となっていて,その次の"Sonic"はフェードインから2分弱でフェードアウトと,これらのフェードアウトされる曲はインタールード的なものと解釈すればいいのかと思ってしまう。しかし,それが成功しているかと言えば,そこは少々疑問に感じる。おんどれ君としては,レコーディングしたものは何らかのかたちで音源として残そうとしたのかもしれないし,9曲目の3分程度の"Vibe"がベース・ソロであることを考えると,短い尺の曲はメンバーのショーケース的なものとしたかったのもしれないが,聴き手に違和感をおぼえさせてしまっているのは何とももったいない。
メンツがメンツだけに"Guitar Shop"からの曲が多いが,そのほかのアルバムからも満遍なく選曲されているが,総じてここまで激しくやらなくてもいいんじゃない?ってぐらいに感じさせる中で,"People Get Ready"とかやってくれるとホッとする。それぐらい全編を通じてのテンションが高く,聞き通すには体力が必要である。これに比べれば,Jan Hammerとのライブ盤なんて聞き易いものだ(きっぱり)。
Jeff Beckの突然の訃報であった。突発性の細菌性髄膜炎で78歳の生涯を閉じたとのことであるが,生涯現役を貫きそうだと思えた人だっただけに,この訃報はあまりにショッキングであった。
思えば,私がJeff Beckのライブに接する機会は結局一度しかなかったが,Jeff Beckの音楽との付き合いは45年ぐらいになるはずだ。初めて買ったアルバムは"Wired"だったはずだが,「歌のないロック」(決してフュージョンではない)は当時の私にも非常に新鮮に感じられたし,"Goodbye Pork Pie Hat"のような曲を通じて,まだジャズを大して聞いていなかった私にCharles Mingusという名前に触れる機会を与え,Jan HammerやNarada Michael Waldenのようなミュージシャンに初めて触れたのも"Wired"だったはずだ。また,Jeff Beckが"Jorney to Love"やほかのアルバムに参加していることで,Stanley Clarkeを聞くということもあった。それは私がReturn to Foreverのアルバムを聞く前のことである。その頃,Jeff BeckとStanley Clarkeは来日公演をしたはずだが,残念ながらチケットが取れず,行くことはできなかった。
"Wired"に続いて,"Blow by Blow"やJan Hammerとのライブ盤を買い,更にJeff Beckにはまっていった私だが,当時久々のスタジオ録音作となった”There and Back"リリース当時の盛り上がりも懐かしい。その頃,ぶっ飛んだのはJan Hammerとのライブにおける超高速"Scatterbrain"と,"There and Back"の"Space Boogie"だったように思う。その後もアルバムが出る度に買っていたような気がするし,遡及してJeff Beck GroupやBB&Aのアルバムも購入したが,いいものもあれば,そうでもないものあったとは言え,やはり好きだったことには間違いない。Jeff Beck Groupのメンツによって結成されたHummingbirdだって追っかけてしまうのだから,我ながら相当なものだ。そうは言っても,結局のところ,私にとっては上述の"Blow by Blow"から"There and Back"に至る4枚がJeff Beckのイメージを作り上げたものであったことは間違いない。この4枚が出たのがミドル~ハイ・ティーンに至る時期だから,そう思えるのも当然と言えば当然なのだ。
Jeff Beckのイメージとは,私にとってはギター1本で勝負して,その場をかっさらっていくというものだが,さまざまなテクニックを駆使したプレイぶりはまさに孤高の境地という感じであった。だからこそ,陳腐な表現ではあるが,「ギター・ヒーロー」という呼び方が最も似つかわしいのはJeff Beckその人であった。"Blow by Blow"が出た時の邦題は「ギター殺人者の凱旋」なんてなっていたはずだが,噴飯ものだと思っていた「ギター殺人者」という表現があながちはずれていないとさえ思えてきてしまった。
改めてこのアルバムを聞いてみると,ライブならではのところもあるだろうが,Mel Torméの歌にはアドリブが多く,ジャズ的なフレイヴァーが強いところが魅力的に響く。そして,当たり前のことだが歌が無茶苦茶うまいのだ。基本的にはピアノ・トリオをバックに歌う"Star Dust"ではFrank Wessのテナーが加わるのに加え,後半の3曲ではFrank Wess Orchestraとの共演が収められていて,フェスティバルらしく華やかさを以て盛り上げている。また,"Swingin’ the Blues"ではMel Torméが達者なドラムスを聞かせ,アンコール的な"New York State of Mind"では歌詞もアドリブで変えて締めくくるのも楽しい。
これこそエンタテインメントだよなぁと感じさせる一流の芸である。星★★★★★。生で観たかった...。
Recorded Live at 五反田簡易保険ホール on November 11, 1990
Personnel: Mel Tormé(vo, ds), John Campbell(p), Bob Maize(b), Donny Osborne(ds), Frank Wess(ts), Snooky Young(tp), Ron Tooley(tp), Pete Minger(tp), Joe Newman(tp), Art Baron(tb), Glover Mitchell(tb), Dennis Wilson(tb), Doug Purviance((tb), Curtis Peagler(as), Billy Mitchell(ts), Arthur "Babe" Clarke(bs), Ted Dumber(g)
長年,このブログをやっていながら,Joe Hendersonのアルバムはほとんど取り上げていない。例外は"Joe Henderson in Japan"ぐらいのもの(記事はこちら)。参加したアルバムはある程度取り上げている中で,リーダー作はそれ一枚ってのはさすがにいかんだろうということで,久々に取り出したこのアルバムについて書いてみよう。
晩年のJoe HendersonはVerveレーベルにおいて,企画もののアルバムを連発していたイメージであるが,これもそんな一枚で,Joe HendersonがAntonio Carlos Jobimの曲を演奏したアルバムである。もともとはJobimとの共演アルバムも企画されていたらしいのだが,本作のレコーディング後,Jobimが亡くなって,結果的に追悼アルバムみたいなかたちでリリースされたようだ。
やっている曲が必ずしも超有名曲ばかりではないところにもこだわりを感じるが,それにしてもJobimはいい曲を書くなぁと思ってしまう。前半ではOscar Castro-Nevesとのデュオで演じられる”Once I Loved"が痺れる出来。後半では"Chega de Saudade"をストレート・アヘッドな感じで攻める"No More Blues"が意表を突く演奏となっていてびっくりしてしまう。そして,最後をChristian McBrideとのデュオで演じる"Modinha"で締めるというのも渋い。
Recorded on September 19, 20(track #6-12), and on November 4 &5(track #1-5), 1994
Personnel: Joe Henderson(ts), Eliane Elias(p), Oscar Castro-Neves(g), Nico Assumpção(b), Paulo Braga(ds), Herbie Hancock(p), Christian McBride(b), Jack DeJohnette(ds)
Keith Jarrettが慢性疲労症候群を患った後,ソロ・コンサートのスタイルは長大な曲をやるスタイルから,短い即興を何曲もやるというかたちに変貌を遂げ,コンサートの前半は特に現代音楽的アプローチが増え,後半でメロディアスに転じるというパターンが多くなった。しかし,Keith Jarrettの魅力というのは,まさに湧き出てくるような見事なフレージングの塊のようにも思えたこうした長編ライブの方に,より強く感じるというのが私としては正直なところである。それは美的な部分だけでなく,フォーク・タッチが強く感じられる演奏の親しみやすさにも要因があったように感じる。
私はこのブログにも書いてきたように,ロックにおいては一部の例外を除けば,ブリティッシュよりも圧倒的にアメリカン・ロックを好む傾向が強い。ここでの音楽はそうした私の嗜好にずっぽしはまって来るって感じで,人生のもっと早い時期に触れていれば,私の音楽への嗜好は更にアメリカ寄りになっていたかもしれないなぁなんて感じてしまった。Lowell Georgeは自らも優れたスライド・ギタリストであるにもかかわわらず,"Willing"(一般的には2nd収録の"Willin'"として知られているようだが,裏ジャケには"Willing"と書いてある)ではRy Cooderにボトルネックを弾かせてしまうところに奥ゆかしさを感じてしまうし,"Forty-Four Blues / How Many More Years"でもRy Cooderにギターを任せているようだ。こういうコンビネーションが聞けるというのも,アメリカン・ロック好きには実に魅力的に響くのだ。
Little Featの音楽が売れたって話はあまり聞かないが,ちょっと渋過ぎたのかもしれないなぁと思いつつ,リリースから半世紀以上経った今聞いても,私のようなリスナーには十分な訴求力を持っているのが素晴らしい。もちろん,現在の若い人たちに受けるかと言えば疑問だが,いい音楽は時代を超越すると思いたい。星★★★★☆。そして,今となってはLowell Georgeの娘,Inara GeorgeのBirds and the Beeにはまるのだから,何かの因果を感じてしまう私であった。
Personnel: Lowell George(vo, g, hca), Bill Payne(key, vo), Bill Payne(key, vo), Roy Estrada(b, vo), Richard Hayward(ds), Ry Cooder(g), Sneaky Pete(pedal-steel)
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