祝祭の終わり:FIFA ワールドカップ決勝戦を振り返る。もの凄い試合であった。感動した!

4年に一度の祝祭,FIFA ワールドカップが終わった。アルゼンチンとフランスの決勝戦は,ワールドカップの決勝に相応しい死闘,あるいは激闘と呼んでよいものであった。
前半こそ完全なアルゼンチン・ペースで,フランスはなす術がない状態だったので,この試合はアルゼンチンの完勝で終わるのかと思ったのは大間違いであった。フランスの大胆なメンバー交代が機能した部分もあったが,おそらく前半のオーバー・ペースから明らかにアルゼンチンの運動量やパスの精度が落ちてきた後半35分のPKと,その直後のエムベパの凄いシュートで同点となって延長に突入。延長後半の序盤にメッシのゴールで勝ち越して,勝負あったと思ったら,土壇場でアルゼンチンがハンドでPKを献上,ついに3対3でPK戦に突入なんていう試合経過を,前半の試合運びを見ていて想像した人間がどれだけいただろうか。
これぞまさに死力を尽くした戦いであり,サッカーというスポーツの本当の醍醐味を感じさせてくれた試合と言いたい。この試合を観ていた人間はすべからく感動していたと思いたくなるような素晴らしい試合であった。そしてPK戦になって,2人はずしたフランスに対して,4人全員成功させたアルゼンチンのプレーヤーのメンタルの強さを見て,対クロアチアでPK戦の末敗れた日本代表とのレベルの違いを痛感していた私である。だって,決勝のPK戦である。もの凄いプレッシャーの中で決めるアルゼンチン代表,実に見事であった。
一方,フランスの3点はエムベパのハットトリックによるものだが,2本のPKはもちろん,フランスの2点目のエムバペのシュートはまさにビューティフル・ゴールと呼ぶべきものであり,惜しくも敗れたとは言え,エムベパがいる限り,フランスはサッカー強国としての地位を維持するに違いない。あのスピード,まさに化け物であった。多分,どう切り込むかは想像できていてもついていけないのだろうと思わせる。
いずれにしても,TV観戦は深夜に及び,私にとっては体力的にもきついものがあったが,こんな素晴らしい試合が見られるならば,多少のしんどさなんて大したことはないと思っていた私である。やはりワールドカップは祝祭である。4年後はどのような試合が見られるのか。今から楽しみにして待つことにしよう。

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