FIFA ワールドカップ: クロアチア戦を振り返る。惜敗であった。

FIFA ワールドカップにおいて,E組を首位で通過し,決勝トーナメントに進んだ日本代表と,クロアチアの戦いはほぼ互角だったと言ってよいと思う。日本が前田のゴールで1点先制した時は,追加点も期待できるかと思えたが,後半に追いつかれ,延長戦でも決着がつかず,PK戦で散った。
私は正直言って,延長戦で決着がつかず,PK戦に持ち込まれれば,日本代表は厳しいと思っていた。PKというのは極めてメンタルの強さが求められる中で,日本人の勝負弱さというものが露骨に出てしまう可能性があると思っていたからである。残念ながら私の予想は当たってしまったが,4人蹴って3人失敗では勝ち目がない。
しかし,そこに至る敗因は,クロアチアに三笘が徹底マークされて,動きを封じられたことだろう。今の日本代表はそうしたシチュエーションを感じ取り,例えば伊東純也をもっと使うというオプションを使わなかった(使えなかった)ことにより,得点力が落ちてしまったことは痛かった。この辺りの修正能力を高めていかないと,世界の強豪と伍して戦うことは難しいのではないかと感じた。
更に,やはりPK力を高めていくことは,勝負が厳しくなればなるほど必要なはずだ。メンタルの強度を高めるためには,練習と成功体験を積み重ねる以外ないと思えたPK戦であった。一番手に立候補した南野には悪いが,私は南野が出てきた段階で失敗懸念を抱いていた。現在の彼の状態では成功する確率が高いと思えなかったからだ。それが二番手以降の悪循環につながっていったとしか思えない。
とは言え,今回の日本代表の戦いは見事だったと思えるし,今回の敗退の経験は,次なるステップアップへの糧となることは間違いない。反省点はないとは言えないが,下を向く必要はない。多くの日本国民が今回の活躍に胸躍らせたことは間違いないのだから,私としてはありがとうと言いたい。
4年後に向けて,新生日本代表を応援していくことにしよう。
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コメント
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FIFA ワールドカップは、野球組の私でも一生懸命応援しました。
とにもかくにもE組トップというだけでもほめてやらなければいけないと思ってます。
サッカーを良く知らない私でも、ドイツ、スペインが技術的にも日本よりかなり上であることが見てとれました(私見)。しかし結果は勝利・・・これは日本のそれ以上の何かがあったのでしょう。素晴らしかったです。
クロアチアは・・・残念でしたが、やっぱり彼らが体力とかの問題でなく、技術力において上でしたね(私にはそう見えました)。PK戦の評価は解りませんが、そこまで持って行ったことに喝采したいです。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2022年12月 7日 (水) 22時34分
photofloyd(風呂井戸)さん,おはようございます。
>FIFA ワールドカップは、野球組の私でも一生懸命応援しました。
はい。サッカーというのは人間を熱くするスポーツですが,特にワールドカップは群を抜いていますから。
>とにもかくにもE組トップというだけでもほめてやらなければいけないと思ってます。
はい。死の組と言われていただけに,予選通過を危ぶむ声があったのは事実ですし,ドイツ,スペインに勝ったというのは歴史的な偉業です。
>サッカーを良く知らない私でも、ドイツ、スペインが技術的にも日本よりかなり上であることが見てとれました(私見)。しかし結果は勝利・・・これは日本のそれ以上の何かがあったのでしょう。素晴らしかったです。
実力差があったとしても,それを越える結果が出ることがあるのがサッカーの面白さでもありますが,今回の日本代表は実際に頑張りました。
>クロアチアは・・・残念でしたが、やっぱり彼らが体力とかの問題でなく、技術力において上でしたね(私にはそう見えました)。PK戦の評価は解りませんが、そこまで持って行ったことに喝采したいです。
私は勝負そのものはクロアチア優勢ながら,ほぼ互角だったと思います。PK戦は...記事に書いた通りです。メンタルの強さに加えて,自信を持てる裏付けが必要なのがPKだと思います。しかし,今回の戦いぶりは賞賛に値しますね。
投稿: 中年音楽狂 | 2022年12月 8日 (木) 08時28分