John Legend: もはやソウル界のVIPだな。
"Legend Act I & Act II" John Legend (Republic)
Kanye Westに見出されて2004年にデビューした段階から,この人のレベルの違いは明らかであったが,その後,順調に積み重ね,アルバムには若干の出来,不出来はあったものの,極めて信頼するミュージシャンであることを実証してきたJohn Legendである。Kanye Westのミュージシャンとしての人生が,馬鹿げた発言等により風前の灯であるのと対照的としか言いようがないが,このアルバムを聞いても,この人の今後は十分に期待できると確信した。
長年所属したColumbiaレーベルを離れた第一弾となる本作は2枚組で,ディスクはAct IとAct IIと題されているが,テーマは「土曜の夜と日曜の朝」だそうである。Act Iのディスク1が「土曜の夜」で,Act IIのディスク2が「日曜の朝」ということになるが,ディスク間の雰囲気の違いは明らかであり,これは完全に狙ったものってことになる。
「土曜の夜と日曜の朝」と言えば,我々の世代にはAlan Sillitoeの小説だったり,それを原作とするAlbert Finney主演の映画を思い出してしまう訳だが,別にその線を狙ったわけではないとしても,「土曜の夜」と「日曜の朝」のギャップを感じさせる構成になっていることは同様かもしれない。いずれにしても,アッパーとダウナーを織り交ぜつつも,全編を通じていい曲書くねぇと思わせるアルバムは,2枚組の長さを感じさせない。もちろん,John Legendのあの声,あの歌唱は健在であり,これはやはりよく出来ていると思わせる。私としては"Love in the Future"以来の出来と評価したい。星★★★★☆。
尚,ライナーの文字が小さ過ぎてほとんど読めない老眼の私なのでPersonnelは省略するが,ゲストは適材適所と思う。
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