私には珍しく,N響定期でコープランドを聴いた。

先日のNelsons/ボストン響で聞いたショスタコの5番の興奮も冷めやらぬ中,私としては実に珍しいことなのだが,極めて短いインターヴァルで,またオケを聴きに行った。今回はLeonard Slatkinが振るNHK交響楽団なのだが,プログラムはコープランドの「アパラチアの春」と「ロデオ」のフル・ヴァージョンというプログラム。
NHKホールに行くのはいつ以来か記憶が曖昧だが,昔,全く似合わないと言われても仕方がないが,バレエの切符のもぎりのバイトしたことがあったなぁ。最後に演奏を聞きに行ったのはMetheny~Mehldauだったか。
それはさておき,コープランドの音楽については,これまでオーケストラの演奏はほとんど聞いたことはなかった私だが,ロック・ファン,ジャズ・ファンなら,前者はEL&Pが,後者はOliver Nelsonが「ブルースの真実」で,それぞれコープランドが書いた"Hoe-Down"を演奏しているという点で馴染みはあるはずだ。EL&Pはそれだけでなく,「庶民へのファンファーレ」もやっているしねぇ。
ということで,完全に気まぐれではあるが,今回はオーケストラでコープランドの曲を聞いてみたくなってしまった私であった。曲としては編成も大きいし,"Hoe-Down"も入っている「ロデオ」の方に期待をしていたたのだが,今回のコンサートは「アパラチアの春」も含めて,全編を通じて実に楽しかった。でもやっぱり「ロデオ」の方が盛り上がったのは間違いないところ。
コープランドの書く曲はいかにもアメリカ的な響きを持つものだと思うが,聞いていて,昔の西部劇の音楽はコープランドの影響を受けているかもなぁなんて漠然と思っていた私である。例えば,Jerome Morossが書いた 「大いなる西部」や,Elmer Bernsteinが書いた 「荒野の七人」なんかが,演奏中も私の頭の中でぐるぐるしていた(笑)。
更に,今回観ていて思ったのは,オケのメンバーも演奏を楽しんでいたのではないかと思ってしまう。クラシックのコンサートであれほどオケの奏者たちが楽しそうに演奏しているのは初めて見たって感じなのだ。カーテン・コールで撮った上の写真でのLeonard Slatkinや,オケのメンバーの表情を見ればわかってもらえるのではないかと思うが,こういう難しさを感じさせない音楽ってたまにはいいよねぇと思ってしまったのであった。
とにもかくにも,あぁ~楽しかったと思える演奏であったが,次に行くのがなんとViktoria Mullovaのリサイタルって,なんか私もはじけてるなぁ(笑)。Viktoria Mullovaは亡き父が結構好きだったので,その名代ってことにしておこう。
Live at NHKホール on November 18, 2022
Personnel: Leonard Slatkin(cond), NHK交響楽団
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