何とも不思議なMilton NascimentoとHerbie Hancockの「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」出演時の音源。
"Under Tokyo Skies" Herbie Hancock / Milton Nascimento(Jazz World)
タイトルからして,いかにも怪しげな音源である。今はなき,「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」での演奏を収めたものだが,放送音源をソースとするであろうブートまがいのアルバムで,アルバムの構成そのものも相当無理がある。あたかもHerbie HancockとMilton Nascimentoの全面共演のように見えるが,決してそんなことはない。
1曲目の"Jack In"は1990年のPararell Realitiesの音源,2曲目~6曲目が1991年のMilton Nascimentoのグループの演奏,7~8曲目がこれも1991年のSelect Live Special Sessionからで,Herbie HancockとMilton Nascimentoが共演しているのは最後の2曲のみである。裏ジャケにはDavid Sanbornの姿さえ写っているが,演奏が収められている訳ではないという,まぁ相当適当かつ雑なつくりである。まぁそれがブートまがいということなのだが...。
この音源を聞いていると,ライブ音源ということもあって,相当粗い感じがするのは仕方のないところだが,Milton Nascimentoのグループの演奏は聴衆は盛り上がっているが,こうしてCDとして聞いてしまうと,その粗が相当目立つ。そもそもこのCDをいつどこで買ったかの記憶も曖昧だが,出来としてはイマイチとしか言いようがない。当たり前の話だが,ブートにもいいものもあれば,こういうしょうもないのもあるってのは避けられないよなぁ。それでも聞きたいと思ってしまうのが「性」ってことだ(笑)。
Personnel: (Track 1) Herbie Hancock(key), Pat Metheny(g), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds), (Track 2-6) Milton Nascimento(vo, g), Robertinho Silva(ds), Tulio Mourao Pontes(key), Vanderlei Silva(perc), Joao Baptista Carvahiho(b), Ronald Silva(perc), (Track 7-8) Milton Nascimento(vo, g), Wayne Shorter(ss), Herbie Hancock(p), Stanley Clarke(b), Robertinho Silva(ds)
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