Aubrey Johnson~Randy Ingramライブ参戦記@武蔵野スイングホール #AubreyJohnson #RandyIngram
久しぶりに武蔵野スイングホールに行ってきた。ブログを紐解いてみると,私が最後にこのヴェニューを訪れたのは,Benny Greenのライブで,2018年11月まで遡る(その時の記事はこちら)。その後のコロナ禍があったので,間があくのは仕方ないが,ほぼ4年ぶりとは...って感じであった。
それでもって,今回聴きに行ったのがAubrey JohnsonとRandy Ingramのデュオである。ヴォーカルとピアノのデュオを聴くには,キャパ180席の武蔵野スイングホールは丁度いいって感じだろう。しかし,今回のライブ,告知期間が短く,危うく見逃すところであったが,私がチケットを買った時にはまだまだ空席があって,今回も2列目のほぼ中央というナイスな席で彼らのライブを観てきたのであった。それでもまだ空席があったのはやはり告知期間の短さゆえか。ちょっともったいない。
Aubrey Johnsonは何かと言えばLyle Maysの姪ってことになってしまうが,独立したヴォーカリストとしても相応の実力を持った人である。私は彼女のライブも一度目撃していて,それは2017年12月のNYC出張中に観たFred HerschのPocket Orchestraにおけるライブであった(その時の記事はこちら)。そこにも「スキャットを中心とした歌唱で,インプロヴィゼーションも交え,ジャズ的なフレイヴァーを加えていた」なんて書いている。今回のライブにおいても結構な頻度でスキャットを交えていたのはジャズ的な点である。
しかし,Aubrey Johnsonは典型的なジャズ・ヴォーカルと言うよりは,もっと間口の広いヴォーカリストで,かつポルトガル語の歌も結構歌うというところにも彼女の指向が出ているようにも思う。声も華憐な感じだしねぇ。だから,ジャズ・ヴォーカルのライブだと聞いて来場した,このヴェニューらしい平均年齢の高い聴衆のイメージに彼女の歌が合致していたかはわからないが,最後はアンコールも2回で,やんやの喝采を受けていたのは,彼女の人懐っこそうな笑顔に癒される部分もあったのではないか。
今回のライブは,11月4日にリリースされるご両人による新作"Play Favorites"のプロモーションの意味合いもあったと思うが,2部構成で演じられた曲のほとんどが,今回の新作からであった。私は今回,発売前のCDを多分持ってきているだろうとは思っていたが,案の定であり,現地でCDをゲットした私であった。そこではオリジナル,スタンダードに加えて,Jobim,Joni Mitchell,更にはBillie Eilishまで歌ってしまうのだから,上述の通りの「間口の広さ」である。
どの曲もなかなかに魅力的であったが,特に私に響いたのがJoni Mitchellの"Conversation"であった。曲そのものが魅力的なのは確かだが,非常に素晴らしい歌いっぷり,弾きっぷりであった。更にJobimの"Olha Maria"とJimmy Webbの"Didn’t We"をメドレーで歌ってしまうのはいいセンスだよなぁと思っていた。そして,Lyle Maysの初リーダー作に収められていた"Close to Home"にポルトガル詞を乗せた"Quem é Você"が非常に美しかった。これってMilton Nascimentoも歌ってるんだねぇ...。
Randy Ingramのピアノは,流麗なフレージングって感じだったが,打鍵の強弱がもう少しあってもいいかなと思えたのも事実である。私には打鍵が強いパターンがちょっと多いように感じられたので,"Quem é Você"で聞かせたようなリリカルなトーンをもっと交えてもよかった。そうは言っても,購入したCDを聞くのも楽しみになるような歌唱,演奏であった。スキャットとピアノでユニゾンのフレーズを展開するところなんて,結構スリリングだったし,そういうところは実にジャズ的であった。
いずれにしても,今回のライブは別のコンサートのチケットを買うために,武蔵野市民文化会館のサイトを見ていて,たまたま開催を知ったものだったが,行けてよかったと思えた一夜であった。CDについては改めて記事にしたいと思う。
Live at 武蔵野スイングホール on October 21, 2022
Personnel: Aubrey Johnson(vo), Randy Ingram(p)
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