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2022年9月23日 (金)

日野皓正の”Double Rainbow”:これが出た頃って実はよくわからなかった。私もまだまだ修行が足りなかったな(苦笑)。

_20220921 "Double Rainbow" 日野皓正(Columbia/Sony)

このアルバムが出たのが1981年のことだが,私はリリース後,アナログで入手したものの,全くピンと来ないというか,正直言って,よくわからなかったというアルバム。まぁ当時の私と言えば,ジャズはそこそこ聞くようになったものの,まだエレクトリックなMiles Davisの音楽にもはまっていないことだし,メロディ・ラインが明確な方を好んでいたから,このアルバムのある意味で混沌とした(フリーとかアバンギャルドではない)雰囲気が当時の私の理解を越えていたということになる。

この当時,日野皓正,ナベサダ,そして菊地雅章がメジャー・レーベルColumbiaと契約したことは日本ジャズ界でも大きな話題になった。そして,このアルバムも全米でリリースされたはずだが,売れたって話は聞いたことがない。それは菊地雅章の"Susto"の姉妹作的なつくりによるハイブラウな感覚もあるだろうし,コマーシャリズムからは一線を画した作風によるところも大きいと思える。メジャーと契約しながら,売れることより,クリエイティブであることを選択するってのは勇気のいることだろうが,その心意気は買わなければならない。

このアルバムにおいては,Gil Evansの参画も大きな話題になったが,Gil Evansが関わっているのは"Miwa Yama"だけであり,別にGil Evansらしいオーケストレーションを施している訳でもない。まぁ,Miles Davisの"Star People"や"Decoy"にGil Evansがクレジットされているのと同じような感覚で私は捉えている。本格的なアレンジャーというよりも,オーガナイザーあるいはアドバイザーってところではないのかと思う。

いずれにしても,執拗に繰り返されるリズム・フィギュアに乗って展開される怪しげな(笑)ファンクは,40年以上前のアルバムでありながら,今の耳で聞いても古さを感じさせないのは,私がこういうサウンドに慣れたってこともあるだろうが,今にして思えば大したものである。最後の"Aboriginal"にはAnthony Jacksonのエレクトリック・ベースに,アコースティック・ベースが3本加わるってのは相当変態だし,クラッピングなんてSteve Reichをちょっと想起させるしなぁ。

ということで,私も当時はまだまだ修行が足りなかったことを再認識しつつ,このアルバムってもう一度評価し直してもいいかもと感じさせるものであった。星★★★★☆。

蛇足ながら,このアルバムの最大の難点はこのジャケかもしれない。アルバムで奏でられている音楽とこれほどアンマッチなジャケットもなかろう(笑)。

Personnel: 日野皓正(cor), 菊地雅章(key, p, arr), Kenny Kirkland(key), Herbie Hancock(key), Mark Gray(key), Steve Grossman(ss), Sam Morrison(wind driver), Steve Turre(conch), Lou Volpe(g), Butch Campbell(g), James Mason(g), Barry Finnerty(g), David Spinozza(g), Anthony Jackson(b), Hassan Jenkins(b, clap), Herb Bushrler(b), Reggie Workman(b), Eddie Gomez(b), George Muraz(b), Harvey Mason(ds), Lenny White(ds, clap), Billy Hart(ds), Airto Moreira(perc), Don Alias(perc), Manolo Badena(perc), Emily Mitchell(harp), Gil Evans(arr)

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