Brad Mehldauの最初期音源の一枚:Peter Bernsteinの”Somethin’s Burnin’”。進歩が早い...。
"Somethin’s Burnin'" Peter Bernstein(Criss Cross)
Brad Mehldauのレコーディング・キャリアはChristopher Hollydayの"The Natural Moment"で始まるが,その録音が91年の1月だったので,Brad Mehldauはまだ20歳の時であった。その後,順調にキャリアを積み上げ,今やジャズ界ではビッグ・ネームとなったが,初期のレコーディングを振り返ってみると,このアルバムはかなり早い時期のものと言ってよい。それはリーダーであるPeter Bernsteinにとっても同じで,これはPeter Bernsteinの初リーダー作のはずである。
Brad MehldauにはPeter Bernsteinとの共演が結構あるが,彼らがどのように出会ったかはわからない。多分,ここにも参加しているJimmy CobbのCobb’s Mobのバンド・メイトとして付き合いが始まっていると考えればいいと思うが,ことあるごとにと言っては言い過ぎかもしれないが,結構マメに共演しているのは確かである。当時はまだまだ若手と言ってよい二人が共演したこのアルバムを聞いていると,Peter Bernsteinは年齢(録音当時25歳ぐらいのはずだ)を感じさせない達者なプレイぶりであるが,一方のBrad Mehldauは,Christopher Hollydayとのアルバムで感じさせた生硬さは感じられず,短期間で長足の進歩を遂げているという感覚がある。所謂「伸び盛り」ってことなのかもしれないが,ここでのプレイぶりは明らかに"The Natural Moment"の時とは明らかに異なると思えるのだ。Cobb’sでMobで鍛えられたのかもしれないが,年齢相応というよりも,より成熟した感覚を打ち出している。少なくとも20歳そこそこの若手の演奏と思えない弾きっぷりは,表現を変えれば「老成」のようにも思えるが,ここではセッションの性格を踏まえた「適切」なバッキングをしていると思える。
今にして思えば,Criss Crossというレーベルは,Peter BernsteinやGrant Stewart,あるいはWalt WeiskopfやMark Turnerのアルバムで,若きBrad Mehldauにレコーディングのチャンスを与えたことでも評価しなければならないと思える。それこそ今は亡き,レーベル創設者兼オーナー兼プロデューサーのGerry Teekensに感謝する必要があるってものだ。この後にアルバムを吹き込むFresh Sound New TalentとCriss Crossの2つのレーベルは,Brad Mehldauというミュージシャンの成長過程を知る上で,実に重要なレーベルと言いたい。
いずれにしても,こういう伸び盛りのミュージシャンの「瞬間」を捉えたアルバムとして十分楽しめるアルバムだと思う。星★★★★。
Recorded on December 22, 1992
Personnel: Peter Bernstein(g), Brad Mehldau(p), John Webber(b), Jimmy Cobb(ds)
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