Chick CoreaとGary BurtonはECM中心でいいが,これもなかなか捨てがたいと思った”Native Sense”。
"Native Sense" Chick Corea & Gary Burton (Stretch)
"Crystal Silence"から始まるChick CoreaとGary Burtonのデュオは実に素晴らしい演奏を残しているが,私としてはその最高傑作はチューリッヒにおけるライブ盤であるということはこのブログにも書いた通りである(記事はこちら)。2007年のブログ開設直後に書いたその記事にもこのアルバムのことがチラッと出てくるが,チューリッヒのライブは上回っていないという趣旨が見て取れる。今回,久しぶりにこのアルバムを聞いても,その思いは変わらないとは言え,別の楽しみ方があると思えてきた。
まぁ,この二人がやることだから,クォリティが保たれていることは言うまでもないのだが,このアルバムにおいて注目すべきは,2曲目から5曲目に収められたChick Coreaの旧作のこの二人による再演ということになる。例えば2曲目の"Love Castle"は"My Spanish Heart"が初出であるが,チューリッヒのライブにも収められていた。しかし,そこではChick Coreaのピアノ・ソロとして収録されていたもの(1枚モノのCDではこの演奏は残念ながらカットされている)で,デュオによる演奏はこの時が初めてだったはずである。相変わらずいい曲だと思うが,やはりこの二人による演奏は感慨深い。
3曲目はアルバム"Touchstone"でLee Konitzと演じたのが初出の"Duende",そして4曲目はRTFでお馴染み"No Mystery",更に5曲目のこれまた"My Spanish Heart"が初出の"Armando’s Rhumba"のような曲をこのデュオで聴く楽しみというのを与えてくれる。"Duende"なんて改めて聴いてみると,実にいい曲ではないかと思ってしまう。しかし,このアルバムのためにChick Coreaが準備したと思しき曲も,佳曲が揃っていて,これはなかなかいいアルバムではないかと感じた私であった。
まぁ,バルトークの「バガテル」から2曲入れるのは,私には蛇足のように思えるし,ラストに据えられたMonkの"Four in One"が浮いて聞こえてしまうということもあるのも事実だが,アルバム全体としては,そこそこ評価すべきものとして星★★★★☆。尚,日本盤にはラストに"I Loves You, Porgy"がボートラで入っているが,アルバムを締めくくるには"Four in One"より,こっちの方がよかったんじゃない?って言いたくなるような美的なトラックに仕立てられている。
Chick Coreaが亡くなり,Gary Burtonが音楽界から引退した今,音源を聞いて彼らの演奏を懐かしむしかないのは残念なことだと改めて感じたのであった。
Recorded in 1997
Personnel: Chick Corea(p), Gary Burton(vib)
本作へのリンクはこちら 。
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