往年の敏子~Tabackin Bandにはいいソロイストが揃っていた。
"Toshiko Plays Toshiko" 穐吉敏子Quartet(Discomate)
1970年代から80年代前半に掛けて西海岸で活動していた頃の穐吉敏子~Lew Tabackin Big Bandは,実に評価の高いビッグバンドだった。もちろんリーダー穐吉敏子の作編曲,Lew Tabackinのテナーとフルート・プレイが優れたものであることは言うまでもないが,このバンドのホーン・プレイヤーの優秀さは改めて認めておかなければならないと思う。私は,以前からBobby ShewやGary Fosterのアルバムもせっせと買っていたのはそういう理由によるものである。彼らの作品は,アルバム単位では玉石混交なので,もはや手許に残していないものもあるが,ほとんどは中古で仕入れた一部のアナログは決して売ることなく残っている。
そんな中で,久々に聴いたのがこのアルバムである。ここでのソロイストはBobby Shewともどもトランペット・セクションをリードしたSteven Huffsteterである。本作はそのSteven Huffsteterのワンホーンというのがポイントになる。正直言ってしまえば,Steven HuffsteterはBobby Shewに次ぐ二番手ってことになるだろうが,ここではワンホーンという編成もあり,その実力がもろに出てしまうというチャレンジングなアルバムだったと言ってもよいだろう。
そんなSteven Huffsteterであるが,善戦はしているものの,やっぱりこの人はビッグバンド・プレイヤーだなって気がしてくるところは否めない。悪くはないのだが,こういったコンボで演奏するにはやや華に欠けるって感じか。
それでも穐吉敏子のオリジナルを,こうしたコンボ形式で吹き込むことはなかなか面白いので,アルバムとしては星★★★★程度としてもよいだろう。そしてここには後にビッグバンドのアルバム"Farewell"で公開される"After Mr. Teng"が,ここで早くも吹き込まれていたのが興味深い。スピーディで,バピッシュなこの曲は,この編成よりもビッグバンドの方がいいかなとは思わせるが,穐吉敏子がBud Powellに影響を受けていたことも感じさせて,この編成でも十分楽しめると思う。
クァルテットの演奏もいいのだが,私がいいなぁと思ったのが穐吉敏子のエレピのソロで演奏される"Memory"である。穐吉敏子は,Lew Tabackinのフルートが素晴らしかった"Rites of Pan"でもエレピの演奏も残しているが,このソロはなかなかに味わい深く,こういうのもいいねぇと思わせるのが穐吉敏子の懐の広さってところだろう。
Recorded on December 5 & 6,1978
Personnel: 穐吉敏子(p, el-p), Steven Huffsteter(tp), Gene Cherico(b), Billy Higgins(ds)
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