Maynard Fergusonの”Around the Horn”:このアンサンブルが楽しい。
"Around the Horn with Maynard Ferguson" Maynard Ferguson(EmArcy)
私のソフト保有はかなりの部分がCDに置き換わっており,アナログ・レコードの保有数はもはや限定的なものだが,その中にEmArcyレーベルのアルバムがそこそこある。それはEmArcyでのHerb GellerやJohn Williamsのアルバムが好きなこともあるが,その中にはMaynard Fergusonのアルバムも何枚かあって,これはそのうちの一枚。
Maynard Fergusonと言えば,成層圏トランぺッターと呼ばれて,ハイノートを売りにしていたところもあり,このアルバムなんかはEmArcyオールスターズ(Clifford BrownとMax Roachはいないが...)というようなメンツを集めつつ,主役たるMaynard Fergusonのハイノートも聞けるものだ。そうしたアルバムではあるが,私が長年このアルバムを愛聴しているのは,スウィンギーな11人編成のアンサンブルを楽しめるからである。そして,このアルバム,全曲がBill Holmanの作編曲ということで,影のリーダーはBill Holmanということになる。
A面冒頭の"Mrs. Pitlack Regrets"からして軽快そのものであるが,なぜかアンサンブルをリードするのはトロンボーンである。これがMaynard Fergusonの吹くヴァルブ・トロンボーンなのだ。同じブラスとは言え,トランペットだけでない芸の広さを示すMaynard Fergusonである。
とにかく,全編,こういうジャズは聞いていて楽しいよねぇと思わせるに十分。ソロイストもアルトはHerb Gellerだし,奥方,Lorraine Gellerもソロを取っていて,彼らのファンである私としてはそういう意味でも満足度が高いのだ。上に「長年」と書いたが,私が本作を購入したのは1985年のことである。それは私が会社に入った年,そして約2年間茨城県に赴任していた時に,水戸駅前のレコード・ショップ(今はもうない)で買ったことだけは鮮明に覚えている。逆に言えば,そんなことを覚えていること自体,このアルバムが相当好きなことの裏返しだと言ってもよい。
いずれにせよ,モダン・スウィングってのはこういうものだって感じさせてくれるナイスなアルバム。ついつい評価も甘くなり,星★★★★☆。本作はストリーミングでは聞けるものの,CDでリリースされた形跡はないようだ。売れないのかなぁ...。いいアルバムなんだが。
Recorded on May 12, November 7 and 10, 1955
Personnel: Maynard Ferguson(tp, v-tb), Buddy Childers(tp), Ray Linn(tp), Bob Burgess(tb), Herb Geller(as), Georgie Auld(ts), Bill Holman(ts, arr), Bud Shank(bs), Lorraine Geller(p), Ray Brown(b), Buddy Clark(b), Alvin Stoller(ds)
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