Peter Erskineのトリオによるイタリアでのライブ盤。これが実によい。
"Live in Italy" Alan Pasqua / Peter Erskine / Darek Oles (Fuzzy Music)
Peter Erskineによるピアノ・トリオは欧州トリオ,米国トリオの双方,素晴らしいアルバムを残してきたと思っている。米国トリオはベースのDave Carpenterが亡くなり,その後はDarek Olesが入っているが,この人はポーランド出身なので,純粋米国トリオとは言えないかもしれないが,今は米国在住のようだから,現在の米国トリオによる作品と呼んでいいだろう。このトリオがGeorge Garzoneのバックを務めた"3 Nights in L.A."も素晴らしいアルバムだったが,本作も実にリリシズムに溢れたライブ・アルバムとなった。
ジャケットにはトリオ3名の名前が記載されているので,3者によるコラボレーション・アルバムと言ってもよいが,基本はPeter Erskineトリオである。演奏される曲は”Nuages”と”Con Alma”に加えて,3者のオリジナルが並んでいて,こうしたところにレーベル・オーナーたるPeter Erskineが3者対等というかたちを強調しようという意図も感じる。
ライブ盤なので,ハード・ドライビングな演奏を想像してしまうところだが,このアルバムから流れてくる音楽には,聴衆を煽るような感じではなく,基本リリカルで,美しくも,かと言って静謐さに流れるだけではない,実にバランスの取れたピアノ・トリオだと思える。終盤に向けての盛り上げ方もいい感じの構成である。最後をAlan PasquaがChick Coreaに捧げた"Dear Chick"で締める展開が非常によかった。聴衆も相当盛り上がったはずである。この3人の編成になってからも相応の時間が経過して,コンビネーションも素晴らしく,時間が心地よく流れていくアルバム。
中ジャケには曲目がメニューのようにAntipasto(1曲)~Primi(3曲)~Secondi(3曲)~Contorni(2曲)~Dolce(1曲)と並んでいるが,まさに心地よいイタリアン・レストランで時を過ごすのと同じような感覚で聴けるアルバム。私としては,やや"Con Alma"が冗長に感じられないこともなかったが,全体的には満足度の高いアルバム。星★★★★☆。やはりいいトリオである。
Recorded Live at Teatro Sociale.Camogli, Italy on November 19, 2021
Personnel: Alan Pasqua(p), Darek Oles(b), Peter Erskine(ds)
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