ついに完結!Tedeschi Trucks Bandの4部作,”I Am the Moon”。 #TedeschiTrucksBand
"I am the Moon: IV. Farewell" Tedeschi Trucks Band(Fantasy)
これまでほぼ1か月に1枚のペースでリリースされてきたTedeschi Trucks Bandの全4枚から構成される"I Am the Moon"が,この4枚目,"Farewell"のリリースを以て完結した。
私は本作の評価は全4枚がリリースされてからと思ってきたので,これまでも明確には評価してこなかったが,ここで一つの作品として本作を振り返ることとしたい。
結論から言えば,よく頑張ったと思えるアルバムである。この4枚目を単体で捉えれば,4作中,最もレイドバックした感覚が強いように思えるし,Derek Trucksのギターが実に効果的に響いていると思える。
一方で,この4枚目の収録時間は30分にも満たないものである。Derek Trucksはアナログを意識した収録時間を考えていたようで,昔のアナログ・ディスクは片面20分程度が普通だったことを考えれば,そういうことかとも思うが,だったら,このアルバムはCDで分売するよりも,最初からアナログ・ディスク4枚組でリリースするのが筋だ。このバンドのファンとしては,一刻も早く聞きたいという思いが勝るから,CDをせっせと買った訳だが,このリリース方法には議論の余地があると思える。
そうは言っても,これはこのバンドにとって,コロナ禍を通過した野心作であり,その意義自体は否定しない。ただ,私がこの4部作を聞いていて,どうもSusan Tedeschiの声に飽きてきたかなって気がする。彼女がBonnie Raittのような声であれば...と4部作を聞いていて何度か思ってしまったことは告白しておかねばなるまい。それはこの4部作のリリースの途中にBonnie Raittの優れた新作,"Just Like That..."を聞いてしまったこともあるが,私としてはBonnie Raittの魅力が一枚上だと痛切に感じたのである。
それを補うのがDerek Trucksのギターであるとは思うが,それでもトータルではBonnie Raittに軍配を上げたくなってしまうのだ。夫婦バンドであるがゆえに,こればかりはどうしようもないというところだが,私としては昔のようなDerek Trucks Bandも改めて聞いてみたいと思ってしまったというのが正直なところ。まぁそれでも好きは好きなんだけど。ということで星★★★★。
Personnel: Susan Tedschi(vo, g), Derek Trucks(g), Mike Mattison(g, vo), Paul Olsen(g), Gabe Dixon(p, org, key, synth, accor), Brandon Boone(b), Tyler Greenwell(ds, perc), Isaac Eady(ds, perc), Kebbi Williams(sax, fl), Ephraim Owens(tp), Elizabeth Lea(tb), Marc Quinones(perc), Mark Rivers(vo, perc), Alecia Chakour(vo, perc), Eric Krasno(g), Adrian Jackson(sousaphone), St. EOM(dialogue)
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