録りだめしておいた映画から,「シルバラード」を久しぶりに観た。痛快西部劇とはこれのこと。
「シルバラード("Silverado")」(’85,米,Columbia)
監督:Lawrence Kasdan
出演:Kevin Kline, Scott Glenn, Kevin Costner, Danny Glover, Rosanna Arquette, Brian Dennyhy, Linda Hunt, Jeff Goldblum
このブログにも何度か書いているが,私は結構西部劇が好きだ。昨今のBSでは結構な本数の西部劇を放映していて,私としてはこまめに録画しているのだが,なかなか見る時間がないというのが正直なところだが,今回,時間を見つけてこの映画を再見した。
この映画を初めて見たのは,確か2本立ての1本としてだったはずだ。その時から痛快な西部劇だと思っていて,実に面白かったという記憶はあったが,受ける感触は何年経っても全然変わらなかった。基本的には「スター・ウォーズ」シリーズをはじめ,シナリオ・ライターとしての仕事の方がよく知られているLawrence Kasdanだが,「白いドレスの女」を皮切りに演出にも進出したが,この映画などはそれこそ「スター・ウォーズ」的なストーリー・テリングを西部劇に置き換えたって感じだと思う。
敵と味方ははっきりしているし,勧善懲悪も明確なので,実にわかりやすいし,そして痛快である。シナリオとしてはそうした痛快感を優先するがゆえに無理があるのは承知しているが,古き佳き時代の西部劇にも似た感覚とアクションを交えて,見ていて本当に楽しいのだ。本作が製作されたのは1985年だが,そういう時代にフィットしていたかと言えば,それは正直疑問であるが,それでも深いことを考えなくても楽しめる西部劇をその時代に問うたということに,私は潔さ,あるいは清々しささえ覚えてしまう。
主役の4人はそれ相応に見せ場を作られていて,その辺もちゃんと考えてのシナリオ設定だが,Kevin Costnerの若いこと,若いこと。この映画の当時はこんなチャラチャラしたキャラを演じていたというのも微笑ましい。それに比べると,Kevin Kline,Scott Glenn,Danny Gloverの3人は正統派のキャラクターってところで,その辺の対比も考えてあるって感じなのだ。
映画としての深みはないかもしれないが,純粋にエンタテインメントとして楽しめばいいと思える映画。星★★★★。私はこの映画,かなり好きである。
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コメント
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西部劇ですか・・・近年はあまり話題作聞かないですね
私も若き頃は夢中で見ました。
勿論、銃の打ち合いはありましたが、昔の描写は残酷さはなく良かったです。そしてそれにも増してよかったのは、ジョン・フォードとかハワード・ホークスとか、人間劇にテーマがあったことですね。それに娯楽性加味では「リオ・ブラボー」ですかね、男の付き合いが見事でした。私は好きなのはモノクロ時代の「赤い河」ですね。
今日は懐かしの余談で失礼しました。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2022年7月 9日 (土) 11時39分
photofloyd(風呂井戸)さん,こんにちは。
>西部劇ですか・・・近年はあまり話題作聞かないですね
時代に合わなくなってしまっているんでしょうが,日本に時代劇あれば,アメリカでは西部劇なので,一定のファンはいそうです。ただ大ヒットは期待できませんかねぇ。
>昔の描写は残酷さはなく良かったです。
現代の感覚では牧歌的という気もしますね。
>ジョン・フォードとかハワード・ホークスとか、人間劇にテーマがあったことですね。それに娯楽性加味では「リオ・ブラボー」ですかね、男の付き合いが見事でした。私は好きなのはモノクロ時代の「赤い河」ですね。
おっしゃる通りです。私が一番好きなのは「シェーン」ですかねぇ。「ヴェラクルス」とかもいいですねぇ。もちろんFordもHawksもいいのは言うまでもなしです。
投稿: 中年音楽狂 | 2022年7月 9日 (土) 11時52分