ルーツ・ロック的にさえ響くRonnie Laneの”Anymore for Anymore”。
"Anymore for Anymore Plus" Ronniel Lane & the Slim Chance(G.M.→See for Miles)
このアルバムもブラックホークの99枚に選ばれているアルバムである。だとすれば,渋い音であることは想定内であったが,こちらの予想以上に渋いアルバムであった。
Ronnie Laneと言えばSmall Faces(あるいはFaces)のと言った方が通りがいいかもしれないが,これはRonnie Laneの初のソロ・アルバムである。私はRonnie Laneの音楽についてはほとんど無知と言ってよいし,保有しているアルバムもFacesの"Ooh La La"とPeter Townshendとやった"Rough Mix"だけだ。だが,このアルバムはブラックホークの件もあってずっと気になっていたのだが,なかなか入手の機会がなかったのだが,先般英国のセラーから中古CDを仕入れたものである。
このCD,"Plus"とあるのは冒頭と最後に,このアルバムがリリースされる前に発表されたシングルの2曲"How Come"と”Done This One Before”が配置されているからであるが,こういう曲の配置って結構ユニークだと思いつつ,普通なら最後にボートラに入れるだろうってところ。この辺にはお国柄の違いが出るって感じか(苦笑)。だが,この2曲,アルバムとトーンに違いがある訳ではないので違和感はない。かつライナーはしっかり書かれているし。
いずれにしても,冒頭に書いた通り,実にルーツ・ロック的な渋い音が流れてくるが,これはイギリス的というよりもアメリカ的に響く。私の場合,アメリカン・ロック,あるいはアメリカ的な音への指向の方が強いので,こういうのは大歓迎である。この手のサウンド好きにはたまらないのだ。星★★★★★。
メンツにはGallgher & Lyleの二人が参加しているが,この二人の曲では何と言ってもArt Garfunkelが歌った"A Heart in New York"が忘れられないが,こういう音楽もやっていたのねぇなんて思ってしまった。そして,Ronnie Laneと言えば,かつてEric Clapton,Jeff Beck,Jimmy Pageが勢揃いした”ARMS Charity Concert"というイベントがあったが,これはRonnie Laneが患った多発性硬化症の研究を進めるためのベネフィット・ライブだったのだなぁ。それほどの影響力のある人だったということである。
Personnel: Ronnie Lane(vo, g, b),Graham Lyle(banjo, mandolin, g), Benny Gallagher'(b, g, accor), Kevin Westlake(g), Billy Livsey(key), Ken Slaven(vln), Steve Bingham(b), Bruce Rowland(ds), Jimmy Jewell(sax), The Tanners of Montgomery(vo), Jimmy Horowitz(string arr)
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