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2022年7月31日 (日)

これは初めて聞いたかもなぁ...:Herbie Hancockの”The Piano”。

_20220729-2 "The Piano" Herbie Hancock(CBS Sony)

私はこのアルバムを,ボックス・セットであるComplete Columbia Recordingsの1枚として保有しているのだが,こういうボックスは保有していることで満足してしまって,全然聞けていないアルバムも結構あるのが実態である。正直言って,このボックスの中で,ピアノ・ソロってのはあまり手が伸びないのだが,今回は気まぐれで取り出して聴いてみたってところである。

このアルバムはHerbie Hancockが来日した際に,懐かし(?)のダイレクト・ディスク方式で録音されたもので,バンドとして,同じくダイレクト・ディスク方式で吹き込んだ"Direct Step"との姉妹盤ってことになるが,バンドとピアノ・ソロでは全然違うねぇって思ってしまうのはまぁ当然と言えば当然だ。

そんな本作,アナログで言えばA面に当たる3曲は大スタンダードで,Herbie Hancockなら正直言ってこれぐらいはできて当たり前って世界。スタンダードであるがゆえに,冒頭の"My Funny Valentine"には余計なイントロを付したって感覚があるが,これって必要?と思ってしまう。そんなこともあって,私としては,むしろオリジナルで固められたB面に当たる後半4曲の方に注目してしまうわけだが,Herbie Hancockらしさがあまり感じられないのは,ある意味ソロ・ピアノというフォーマットでの限界か。そうは言っても,そこかしこにHerbie Hancockらしいフレージングは登場するが,それでもやはりHerbie度は薄いと思う。

更に,そもそもこのCDにはボートラが入っているが,それは何回もテイクを重ねているってことの裏返しで,それがダイレクト・ディスクという方式としていいのか悪いのかという議論はあると思う。失敗したらもう一回ってのは時間的な余裕があればよかろうが,徐々に緊張感は低下していくことは想像に難くない。それでもテイクによって,雰囲気が結構違うのはHerbie Hancockらしいが。

ともあれ,私がこのアルバムを聴くのはほとんど初めてと言ってもいいはずだったが,まぁ今後これが再生される機会はそう多くはないだろうなってのが正直なところである。水準を保っていることは否定しないが,Herbie Hancockを聴くならほかのアルバムがあるのであって,このアルバムからということにはならないということで,星★★★で十分である。ムーディな雰囲気を演出したい皆さまはどうぞ,ってところ(笑)。

Recorded on October 25 & 26, 1978

Personnel: Herbie Hancock(p)

本作へのリンクはこちら

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