酔っぱらっていて入手したのをすっかり忘れていた矢堀孝一+岡田治郎の「弦問答」
先日,赤坂のVirtuosoにてMike Stern Nightなるライブに参戦したことは既にこのブログにも書いた(記事はこちら)。その時のライブは大いに盛り上がった訳だが,聴衆としての我々は調子に乗って,3人でウイスキーのボトルを2本空けるというやらかしぶりだったので,家に帰った後の記憶はない(爆)。そして,数日後,現地に持って行った鞄の中にこのCDが入っているのを発見したのだが,どのように入手したのかこれまた記憶が定かではない。いずれにしても,当日のギター,かつ店のオーナーである矢堀孝一の新譜である。岡田治郎とのプロジェクトには一部にパーカッションの岡部洋一が加わる編成だが,「弦問答」とはよく言ったものだと思えるアルバムであった。
ギター+エレクトリック・ベース+パーカッションと言えば,私はついついJohn McLaughlinが"Que Alegria"やロイヤル・フェスティバル・ホールでのライブでのトリオ編成と同じだなぁと思ってしまうのだが,同じテクニシャン揃いのアルバムとしては共通ながら,受ける感触はかなり違うのが面白い。McLaughlinトリオはパーカッションのTrilok Gurtuの露出が大きく,3者対等と言ってもよいのに対し,こちらは岡部洋一のパーカッションが控えめなサポートをしており,「弦問答」というタイトルに偽りなしの演奏に彩りを添えるって感じになっているのが実に奥ゆかしい。
そして,ここでは矢堀孝一はアコースティック・ギターを中心に弾いているが,演奏のタイプは違っても,John McLaughlinもそうなのだが,ユニゾンが決まった時の快感を覚えるところは同様と言ってもよい。冒頭は昨年惜しくも世を去った手数王,菅沼孝三と矢堀孝一の共作"VaizaraNa"で幕を開けるが,ここからもはや掴みはOKである。実にスリリングな展開はライブでも観たくなること必定。アルバム全編,大いに楽しめる演奏なのだが,中でも私が一番感心してしまったのが,矢堀孝一の奥方,大高清美作の”Full Moon”であった。これが実にいい曲で,Ralph Townerに弾いて欲しいとさえ思ってしまうような佳曲であり,前後に据えられた"Night in Tunisia"と"Teen Town"という強烈な2曲の間に咲く美しい花のような曲だと言いたい。
酔っぱらって当日の最後の記憶は曖昧だし,そう言えば最後は自分も呂律が回ってなかったなぁなんて思ってしまうが,このアルバム,ギター,ベース好きには見逃すのが惜しいとアルバムである。Mike Stern Nightにおけるマイキーになり切ったギターと,全く違うサウンドを生む矢堀孝一の多才ぶりにはまじでびっくりしてしまった私であった。
Recorded on November 9, 2021, etc.
Personnel: 矢堀孝一(g), 岡田治郎(b),岡部洋一(perc)
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