久しぶりにめちゃ混みの映画館で観た「トップガン マーヴェリック」
「トップガン マーヴェリック("Top Gun: Maverick")」('22,米,Paramount)
監督:Joseph Kosinski
出演:Tom Cruise, Jennifer Connelly, Miles Teller, Val Kilmer, Bashir Salahuddin, John Hamm, Charles Parnell, Monica Barbaro, Ed Harris
前作から35年以上のインターヴァルで第2作が公開されるってのも凄いことだが,今年還暦を迎えるとは到底思えないTom Cruiseのための映画のようなものである。私としてはこれほど混みあっている映画館に久しぶりに行ったって感じだった。もちろん私と同世代の人も相当数いたものの,若い人が多かったのは意外な感じもしたが,Tom Cruiseの訴求力はいまだに健在ってことになるだろう。全世界でも大ヒットだそうだから,やっぱり凄いことだ。
前作はバブル期真っ盛りで,その頃にオリジナルを観た私のような人間には,冒頭,Kenny Logginsの"Danger Zone"が流れてきただけでつかみはOKである。しかし,その後のストーリーはどうなのかねぇ。あまりにも予定調和というか,想定通りのストーリー展開には驚きはない。しかし,それでいいのだと,多くの人がバカボンのパパのような反応を示してしまうんだろうなぁと映画を観ながら思っていた天邪鬼な私である。
前作ではKelly McGillisがTom Cruiseの相手役だったが,私としては今回のJennifer Connellyのキャスティングはよかったと思う。いつまで経っても綺麗な人だなと思える女優である。ただ,ストーリーからすれば添え物的なキャラに過ぎないのは仕方ないとしても,50歳を過ぎても別嬪なのが嬉しかった。
ただ,やはりこの映画の売りは空中での戦闘機アクションな訳で,そういうシーンの連続を見ていると,実は無茶苦茶肩がこってしまった私であった(苦笑)。日経の映画評で春日太一がこの映画に星★★★★★を付けていたが,私はその見解には与しない。単純にファンという観点からすればそれでもよかろうが,純粋かつ冷静に一本の映画として見れば,あまりにも当たり前のプロダクションである。多くの人は満足して劇場を去るであろうことは否定しないが,そこまで高いレベルの映画か?と聞かれれば,私は「否」と答える(きっぱり)。もちろん楽しめる映画ではある。前作に続いてVal Kilmerを引っ張り出してくるのは泣かせるが,この映画は普通に楽しめるエンタテインメント映画というのが妥当だろう。
素晴らしきエンタテインメントとして星★★★★を付けることには躊躇はないが,やっぱり予定調和で全く驚きがないのはシナリオとしてどうなのよ?と思っている私である。現段階でIMDbで8.7のレーティングは明らかに過大評価だと思う。そうした中で,この映画における感動ポイントはVal Kilmerだと思う。詳しくはネタバレになるので書かないが,Val Kilmer絡みのスクリプト,"It’s Time to Let Go."とそれに付随するシーンは泣かせる。まさにこれが本当の「私の好きなシーンです。」(メフィラス風:爆)。
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