Richard Teeの”Natural Ingredients”:”Strokin’”と同じようなメンツなんだが,随分軽いなぁ。
"Natural Ingredients" Richard Tee(Tappan Zee)
以前,このブログでRichard Teeの"Strokin'"について書いたことがあるが,本作はそれに続くRichard TeeのTappan Zeeレーベル第2弾。前作とほぼ同じようなメンツを集めているのだが,雰囲気は随分と違って,かなり軽く感じる。"Strokin'"には「A列車」というキラー・チューンがあったが,本作にはそういう曲がないのが決定的な弱点だと思う。
雰囲気の違いはRichard Teeのヴォーカル曲が多いこともあると思うが,フュージョンと言っても,ソウル/R&B色が強いこともあるだろう。全編に渡ってRichard Teeらしいピアノの音はしているのだが,もっと弾いてもいいんじゃない?って感じるレベルである。まぁ,アルバムの最後は前作の「A列車」的に,メンデルスゾーンの「無言歌集」から「紡ぎ歌」をアダプテーションしているが,スピード感からしても全然「A列車」には及ばないというのが実感である。
まぁ,これがRichard Teeがやりたかったことなのかもしれないが,アルバムとして聴くと,イマイチ感はぬぐえないところ。これを聞くなら"Strokin'"とかStuffのアルバムを聞いた方がずっと楽しめる。星★★★。そうは言っても,私が現在保有しているのは"Strokin'"との2in1なので,もれなく"Strokin'"にはこれも付いてくるのだが(笑)。
アルバムとしてはイマイチでも,Richard Teeにしても,Eric Galeにしても,Steve Gaddにしても,彼らにしか出せない音ってあるねぇと思わせるのは立派だと思う。個性は大事である。
Personnel: Richard Tee(p, key, vo), Eric Gale(g, b), Matthew Bragg(b), Steve Gadd(ds), Ralph McDonald(perc), Hugh McCracken(hca), Tom Scott(sax), Lani Groves(vo), Ullanda McCullough(vo), Seldon Powell(vo) with horn and strings
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