Tony Williams:1980年代に結成したクインテットのこれが初作のはず。
"Civilization" Tony Williams(Blue Note)
このアルバムは懐かしい。本作がリリースされたのは1987年のはずだが,私が入手したのは1988年にロンドンに長期出張していた時のことだと思う。その年,私は2回に渡って都合8週間程度,出張でロンドンに滞在していたのだが,ピーク時の仕事は大変だったものの,ピークそのものは年末年始の1週間弱という感じだった。だから,結構通常は余裕をかましていたという感じで,オーケストラの演奏を見に行ったり,Robert Palmerのライブを観に行ったり,レコード・ショップに行ったり,暇さえあればパブで呑んだくれていたって感じだった。
結構休日とかは暇なので,レコード・ショップや美術館にもよく行ったが,このアルバムはそんなロンドンでバーゲン価格で買ったはずだ。確か値段は日本円で800円ぐらいだったと記憶している。日本ではCDがまだまだそんな安くない時代に,なんでこんな値段で売ってるのか?って思ったのだが,よっぽど売れないのか?なんて思っていた(笑)。
そんな本作であるが,これは後にレギュラーとして活動するクインテットの第1作だったはずだ。後にベースだけ代わるが,それ以外は不動のメンバーで結構な期間活動していた。それはグループとしての相性のよさってところもあるだろうが,なかなかのメンツを揃えたバンドでもあった。今や本作のメンバー5人のうち,4人は既に鬼籍に入っているというところに時の流れを感じざるをえないが,生き残りはもはやサックスのBilly Pierceだけなのだ。
そうした思い出や逸話はありつつも,このアルバムについてはどうも私はアンビバレントな感覚がある。悪い演奏ではないのだが,このメンツを揃えたことによる高揚感がちょっと足りないって気がするのだ。Tony Williamsはいつもながらのドラムスの煽りを聞かせるものの,こっちが期待するのはもっとハードな演奏だからだ。私がプロデューサーなら冒頭は"Geo Rose"ではなく,2曲目の"Warrior"で掴みはOKにしたと思う。それは聞く側の趣味だと言われれば返す言葉はないが,私がTony Williamsの音楽に「まず」求めるのは"Warrior"の感覚なのだ。そういう感覚は買った時からずっと抜けず,このアルバムは相変わらずプレイバック頻度が低いってことで,星★★★☆。やっぱりもったいないと思うなぁ。
Recorded on November 24, 25 & 26, 1986
Personnel: Tony Williams(ds), Warrace Roney(tp), Billy Pierce(ts, ss), Mulgrew Miller(p), Charnette Moffett(b)
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