久しぶりに「でかくて重いMyung-Whun Chungボックス」を開ける(笑)。
"Rimsky-Korsakov: Sheherazade / Stravinsky: L'Oiseau de Feu Suite" Myung-Whun Chung / Orchestra de l'Opera Bastille (DG)
韓国で編集されたと思しきチョン・ミュンフンの33枚組ボックスを私が購入したのは11年前のことである。その時にもボックスのことは記事にしているが,音楽については何も書いていなかった(その時の記事はこちら)。当時の記事にも書いているが,DGにおけるチョン・ミュンフンのレパートリーってのは一筋縄ではいかないというのは今も同様に感じる。今回,このボックスを取り出すのも久しぶりなのだが,買ってから全然聞いてないなぁと感じるほど放置状態が続いていた。
そうした中で,今回聴いたのが「シェヘラザード」と「火の鳥組曲」のカップリングである。変わったレパートリーが多いチョン・ミュンフンにしては往時のよくある名曲の組合せってのが珍しいということもあるし,当時のチョン・ミュンフンの指揮っぷりを考えれば,こういう曲も聞いてみるのもたまにはいいかって感じで取り出したものである。
正直言って,ストラヴィンスキーはさておき,私の場合,リムスキー・コルサコフなんて聞く機会は滅多にない。このアルバムのほかに唯一保有しているリムスキー・コルサコフは父の遺品のコンドラシン/ACO盤だけである。オーケストラを鳴らすにはいい曲だとは思うが,こういう曲は決して私の趣味じゃないんだから聞く頻度が上がらないのは当然で,オケの演奏ならほかの曲を優先するってのが正直なところ。まぁ,それでもこ こでの早めのテンポでかっ飛ばす「シェヘラザード」ってのも久々に聞いて,そのダイナミックな演奏に高揚感を得たってところである。こういう音楽はボリュームを上げて聞かなければダメなので,家人のいぬ隙をねらって(笑)聞くしかない。ということで,これを聞いたのも先日の週末に家人が出掛けた合間のことであった。
カップリングの「火の鳥組曲」は1919年版だが,この曲も聞かないなぁ。通常聞いているのはバレエ音楽の方だから,組曲の音源はこれぐらいしか保有していないはずである。それを放置しているのだから,聞くチャンスなんてほとんどなかったと言ってもよいのだが,「魔王カスチェイの凶悪な踊り」なんて,文字通り凶悪感がたっぷりで面白かった。それでもこの曲のフィナーレを聞いていると,ついついYesのライブのオープニングを思い出してしまうのが常の私なのだが...。
いずれにしても,たまにこういう音楽を聞くと新鮮な気分を得られるところもあって,やはり「放置」はいかんと思ってしまった。
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