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2022年4月20日 (水)

Amazon Primeで観た「サンダカン八番娼館 望郷」:田中絹代が凄い!

Photo_20220417195801 「サンダカン八番娼館 望郷」(’74,東宝)

監督:熊井啓

出演:栗原小巻,田中絹代,高橋洋子,田中健,水の江瀧子

先日,1974年のキネ旬ベストテンの第1位に輝いた本作をAmazon Primeで観た。この1年近く,BSで再放送されていた「黄金の日日」を見て,栗原小巻にはまってしまったというのがこの映画を観た一番の理由ではあるが,非常に評価の高いこの映画が公開された頃は中学一年ではさすがに見に行くこともなかったので,改めてということで鑑賞したもの。それでもタイトルだけは妙に記憶に残っていた作品だが,結論から言えば,田中絹代が凄い。

栗原小巻はまだ20代後半ぐらいでその美貌の素晴らしいことは言うまでもないが,この映画は栗原小巻の美貌だけで終わる映画ではない。一番凄いのは田中絹代だとしても,その若い頃を演じた高橋洋子も素晴らしい演技で,彼女たちの演技があってこそ,この映画は一級品になったと言いたい。それに比べると当時の田中健の大根役者ぶりが微笑ましいぐらいであるが,まずは田中絹代である。

老境に達しつつ,悲しい過去を抱えながら,凛としたところを見せる田中絹代の演技だけ見ているだけでもこの映画は価値があると言いたくなる。ある意味飄々としているという感覚もあるのだが,ラスト近くの栗原小巻との別れのシーンには単純に涙した私である。まじでうまい。高橋洋子の造形はややステレオタイプかなって気がしないでもないが,それでも田中絹代と高橋洋子の前では,栗原小巻は主役でありながら,完全に食われてしまっていると感じられるほど,この二人のインパクトが強い。

物語としてはかなり陰鬱なところがあるので,観て爽快になる映画ではない。むしろ見ていて辛くなる瞬間の方が多い。しかし,過去の歴史を振り返り,そういうこともあったのだということを噛みしめながら観るべき映画である。そしてとにかく田中絹代,そして高橋洋子があまりにも素晴らしいということは強調しておきたい。加えて,水の江瀧子の私のイメージを覆すここでの演技も見事であった。星★★★★☆。

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