オスカーで脚本賞を獲った「ベルファスト」を観た。これは実にいい映画であった。
監督:Kenneth Branaugh
出演:Jude Hill, Catriona Balfe, Jamie Dornan, Ciarán Hinds, Judi Dench
今年のオスカーで脚本賞を獲得したのがこの映画である。常々思っていることだが,脚本のよく出来た映画は面白い。それは近年で言えば「ブラック・クランズマン」然り,「プロミシング・ヤング・ウーマン」然り。だったらこの「ベルファスト」も面白いに違いないという思いがあった。但し,この映画を撮ったKenneth Branaughは「ナイル殺人事件」がいけていなかったというところもあったが,多分こっちは大丈夫だろうってことで観に行ったもの。結果は吉である。
この映画の背景ではアイルランドにおけるプロテスタントとカトリックの争いが描かれているが,宗教というのは一歩間違えると馬鹿げた諍いを生むという最たる事例である。現代は分断の時代と言われるが,そうした現代において分断を描くことにもKenneth Branaughは意義を見出したとさえ思える。そんな背景の中で,この映画はKenneth Branaughの自伝的な映画というかたちで捉えられているが,そこに描かれているのが主人公の少年Buddyの「映画好き」という一面。こういう生い立ちの中で,Kenneth Branaughのような役者が生まれたのねぇということを感じさせるものであった。
そして,この映画,ストーリーの部分は白黒なのだが,そこに織り込まれる映画のシーンを含む「パート・カラー」の使い方がうまいのだ。白黒映画だと思って見ているこっちの思い込みを冒頭から裏切ってくれるが,全編を通じて,一部カラーで映し出されるシーンがよりヴィヴィッドに見える効果があったのも実にうまいと思った。
更にVan Morrisonが担当した音楽も魅力的。私は実はVan Morrisonはあまり得意ではないのだが,映画の中で使われたほかのミュージシャンの曲や,Van Morrisonの歌唱も実に効果的であった。
ということで,この映画は脚本もよくできているのは事実だが,そのほかの映画の構成要素の合わせ技もあって,実にいい映画と言ってよいと思える。星★★★★☆。
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