昨日に続いて,今日もJoe Sample:有名曲をカヴァーした”Invitation”。
"Invitation" Joe Sample(Warner Brothers)
昨日,Lalah Hathawayとのアルバムをアップして,最近これも聞いてないなぁってことで取り出したのが本作。冒頭の"Black Is the Color"という曲はよくわからないが,それ以外はジャズ界でも相当有名な曲が並んだカヴァー・アルバムなのだが,そこはJoe Sample,完全にJoe Sampleカラーに染めている。
はっきり言ってしまえば,このアルバムにジャズ的な要素を求めることは適切ではなく,原曲の美しさをそこはかとなく感じさせながら,主題はJoe Sampleのピアノ・タッチを聞かせるための作品と言ってよい。普段ならアップ・テンポで演奏されそうな曲もしっとりしたバラッドに仕立てられている。しかもオーケストラの伴奏に乗ってなのだから,このアルバムでプロデューサーであるTommy LiPumaが狙ったのはそっちの線のはずである。
このアルバムを聞いていれば,心地よく時間が流れていくが,多少なりとも「ノリ」を重視するリスナーにとっては物足りなく響くものだと思う。しかし,アルバムそのものが上述のようなねらいで作られているのだとすれば,それはそれで仕方がないことである。時代が時代なら「ジェットストリーム」でプレイバックされそうな音楽でと言ってもよい。
Joe Sampleの音楽というのはよく小売店のBGMでも使われていたが,本作はそうした音楽と異なって,購買意欲をそそるようなビートの音楽ではないので,通常のJoe Sampleのアルバムとは性格が異なる。しかし,相当有名な曲をやりながら,完全にJoe Sampleの音楽になってしまっていること自体が,Joe Sampleがスタイリストであることの証。例えば,Horace Silverの"Nica's Dream"がここでの演奏のようになってしまうってのを楽しめるかどうかが,このアルバムに対する評価を分けるだろう。ジャズ原理主義者からすれば,Horace Silverに対する冒涜となるかもしれない(笑)。一方,私にとっては,刺激はないが,実に美しい音楽としてこれはこれで全くOKであり,これもJoe Sampleの個性。星★★★★。
Personnel: Joe Sample(p, synth), Cecil McBee(b), Victor Lewis(ds), Lenny Castro(perc) with Orchestra
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